行動を止めるメンタルブロック
目標を設定して行動しようとするけれど、なかなか前に進めず、これ以上できないと思ってしまうことがあります。
行動し始めしばらくすると「できない」、「ダメだ」、「無理」という思いが出てきます。
心の中に、行動を止めるメンタルブロックがあるのかもしれません。
メンタルブロックは、行動を起こそうとするけれど、出来ない、無理という否定的な思い込みです。

やりたいと思っているのに動けない状態に陥っています。
メンタルブロックは、無意識の中にあります。
人間はコンピュータと同じように考え方や行動の仕方のプログラムがあるといわれています。
その人独自の思考や行動のパターンを持っています。
コンピュータのプログラムが、ある「入力」に対する「出力」が毎回同じであるように、人間もある特定の刺激や感覚を捉えたら、それに呼応する反応をします。
例えば、高所恐怖症の人がいます。
赤ちゃんの頃、抱っこされていた人の腕からするりと抜けて、地面に落ちたという経験が何度もあると、「高いところは恐い」と思い込みます。
大人になってからも、高いところは恐いので高いところには行きません。
高いところにも登りたいとも思いません。
このように幼い頃に高所から落ちたという経験をしたら、「高いところは恐い」という感情と価値観が出来上がります。
高いところは恐いものだと言う価値観のとおりに高所を避けるようになり、苦手意識や恐怖心を抱くようになります。
いったん、プログラムを身につけたら、その後はプログラム通りに反応するようになります。
プログラムは意識してつくるものではなく、自動的に出来上がるものです。
プログラムは、作ろうと思ってできるものではないのです。
「無意識的にできる」のがプログラムです。
そして、いったんプログラムが出来上がったら自動的に(無意識的)に作動するようになります。
メンタルブロックは無意識にでき上がったプログラムのひとつです。
メンタルブロックである「自分には出来ない」という思い込みがあるので、行動できなくなっています。
人間は目標を設定し、行動することで成功に近づきます。
目標達成には、自分の顕在意識と潜在意識の方向性が一致しなければ得たい結果を得ることはできないといわれます。
顕在意識で「 ○○ になりたい」「 △△ をしたい」と思っていても、潜在意識で「 ○○ にはなれない」「 △△ はできない」という思いがあったら、願望は実現できないのです。
ですから、自分を止めている潜在意識のプログラムを発見することはとても重要です。
成功するには行動を止めているメンタルブロックを発見して、外していくことが必要になってきます。
メンタルブロックに気づく方法

メンタルブロックは原因がわかるものもあれば、はっきりした原因に気づけない場合もあります。
人前でスピーチして失笑され、傷ついたという経験があればその対策も考えることができます。
しかし、原因が思い当たらないとしたら、過去の経験の中にメンタルブロックの原因があるかもしれません。
すぐに思い出せない場合は、内観をしてみます。
自分に「行動を止めているものは何ですか?」と質問してください。
すぐに答えが出て来なくて時間がかかるかもしれませんが、その答えは気づきとして無意識から上がってきます。
メンタルブロックの原因は、行動することがネガティブな結果を招くと思い込んでいるからかもしれません。
また、行動を抑制することによって、何かを守っているのかもしれません。
その何かを探ってみます。
行動して得たいものを手に入れたとしたら、今までの自分と違ってしまうとか、まわりからしっとされるとか…… 答えが出てくるでしょう。
メンタルブロックの原因は、幼い頃の記憶にあったりします。
たとえば、両親や兄弟姉妹、周りの大人たち…。
ゆっくり時間をかけて思い出してみると、出て来るものがあるかもしれません。
心の傷になっているものかもしれません。
メンタルブロックは未来や未知の出来事への恐怖心となります。
行動することによって得たい結果を得る半面、自分はデメリットを受けると思っているのかもしれません。
ネガティブな教訓になっているとしたら、それが未来に再び現れるかもしれないという恐れになります。
願望実現をしたら恐ろしいことが起こると思い込んでいるとしたら、目標達成した後に発生するかもしれないデメリットを書き出してみます。
そして、行動しないことによって起こるデメリットも書き出してみます。
自分が現在持つ不安が明らかになります。
自分が行動することのメリット、デメリットを明らかにすると、メンタルブロックの姿を明らかにすることができるはずです。

メンタルブロックは恐れの感情からできているものです。
「私は何を恐れているのだろう?」と自問してみてください。
恐れているものが明らかになったら、「私はどうしたいのか?」自分に聞きます。
そうしたら、やめるのか、行動し続けるのか、決めることができます。
恐れていることの96%は実際には起こらないといわれます。
メンタルブロックは、あなたを危険から守っているものと考えることもできます。
幼いあなたを守るために、「それをしてはいけないよ、危ないよ。」と危険から遠ざけるために行動を抑制したものといえます。
しかし、大人のあなたは、もう幼子ではありません。
今まであなたを守ってくれていたメンタルブロックに「ありがとう」とお礼を言って、これからは「私は~する」と宣言してもいいのではないでしょうか。
お読み頂きありがとうございました。