見たり聞いたり感じたりすることが心の状態を決める
嫌な事があると否定的な感情に捉われます。落ち込んでしまい立ち直れなくなり、気分が沈んでしまいます。反対に嬉しいことがあったら、元気になります。イェーイと踊りだしたいような楽しい気分になったりします。
人はネガティブな感情に流されやすいといわれます。ものごとを否定的に捉える傾向があるわけです。人は安全、安心を求めます。生命の維持のために恐怖心が敏感に働き、危険を排除したり、回避しようとします。感情がセンサーなので、恐怖心という形で危険を知らせることになります。ですから、人はネガティブな感情を感じやすいといえます。
出来事に反応し、感情を発生させます。原因があって結果があるように、感情も出来事に反応して発生するものです。
気持ちが沈んで不安な状態である場合、何か気分が上がるような出来事が起こらないと、気分が変わらないというのであれば、なかなか気分を変えることは難しいのではないでしょうか。
気分が上がることがしょっちゅうあるとは思えないので。出来事を待っていては、いつ気分がよくなるのかわかりません。宝くじにあたるとか、会社で出世するとか、臨時収入があるとか、すぐには期待できないのではないでしょうか。
いい気分になるのに、理由はいらないとしたらどうでしょう。すぐに「いい気分」になろうと決めるとしたら。自分で気分を決めるということです。
ネガティブな感情を否定するものではありません。人の感情はすべて必要なものです。ネガティブな感情も自分に危険を知らせたり、安全を守るために働くものなので、必要な感情なのです。しかし、常にネガティブ感情の状態でいることは、不安や恐怖の状態にいるということなので苦しいはずです。
心の状態が能力を決定する

スポーツの経験がある方ならうなずいていただけると思うのですが。練習のときはびのびとやれるのに、いざ、本番となると普段の実力を発揮できない。普段の練習ではいい成績が出せるのに、試合ではプレッシャーがかかり実力を出せなかった。
仕事においてプレゼンなど、人前で話をしなければならない時にあがってしまい、上手く話せなかったという経験があるかもしれません。せっかく練習したのにその甲斐がなかったというような。
これはどうしてなのでしょうか?
能力はあるのです。でも結果がよくなかった。その原因はパフォーマンスをするときの心の状態にあります。うまくできるだろうか、間違えないだろうかと緊張した状態だったので、結果が思わしくなかった。心の状態が悪かったから能力を発揮できなかったというわけです。落ち着こうと思うけれど、なかなか身体は思うように動かないし、頭が真っ白になり、話せない状態になってしまった。
その行動をとる人の「状態」が違うからなのです。その人に能力がないのではなく、能力が発揮できない状態に陥ってしまうと本来の実力が出せないということです。心の状態によって能力が違ってくるといえます。
「状態」とは何なのか
人間の身体感覚が状態をつくります。人間は五感(視覚、聴覚、身体感覚、嗅覚、味覚)を持っています。NLPでは五感が状態を作ると考えます。
例えば、テレビドラマで幽霊を登場させる場面を思い出すと、画面は暗く、音楽は低い音でゆっくりと不気味な音を交えるなど、得体の知れないものを想像させ、恐怖心をあおります。
明るいホームドラマだったら、食事の場面は明るい照明で和やかな話し声と笑い声、おいしそうな食事と見ていて楽しい感覚になります。
このように人は五感により、見たり聞いたり感じたりして「状態」をつくるわけです。
能力を発揮できる「状態」とは

人は恐怖心がある状態では、緊張し、呼吸は浅くなり、身体は堅く、思ったように動いたり話したりすることはできません。反対にポジティブな状態である時ややる気がある場合、積極的に行動することができます。
自信がある、希望がある、やる気がある、そういう状態であれば能力を発揮できる「状態」といえます。
NLPでは、自分の能力を発揮できる「状態」を管理できると考えます。次に、状態管理の方法をひとつご紹介します。
一瞬で元気になれるワーク:エクセレントサークル

経験上お分かりだと思います。精神状態がパワフルであると行動しやすくなります。そういう状態であれば、自分の望む結果も得やすくなります。
一瞬でエネルギーに満ちた状態になるワークがあります。エネルギーが低下して元気がない時に行うと、モチベーションが上がり元気を取り戻せます。
(やり方)
1.まず、自分の望ましい状態を思い出します。元気があってパワフルで、想像性豊かな状態など、過去の体験から思い出してみてください。エネルギーがあふれ、ベストの状態をイメージします。試合で勝ったとか、みんなの前でほめられたとか、試験に合格したとか、好きなアーティストのライブに行ったとか‥。
2.次に自分が入れるほどの大きさの円を床の上に描いてください。(イメージします。)その中に自分が入れるほどの広さのものを想像します。
3.それから、その円の中の状態を想像します。色や質感、素材、サイズに注目します。その円はどんな感じで居心地はどうか。どのような景色、色、感触、香り等がするのか。自分が心地よいと思う状態をイメージします。そのサークル内は居心地がよく、自分にパワーを与えてくれる空間なのだと想像します。
4.そして円の中に入ります。「何が見えるか?何が聞こえるか?どんな感じか?」自問してみてください。空想した世界を体感します。
例えば、うす緑色の円で中に入るとキラキラした七色の光の粒子が降り注ぎ、花のいい香りがする。さわやかな風が静かに吹いて来る、はるか向こうには美しい山々が連なり、青々とした草原が広がっている、といったようなイメージです。(御自分の好きな風景、好きな色、好きな香り、心地よい感触等をイメージしてみてください。)充分に円の中の感情を体感したら円の外に出ます。
5.外ではブレークステイト(身体を何度もジャンプさせる等して感覚を戻します。)します。
6.それからまた円の中に入り、中のエクセレントな状態を体験します。
7.その後何度か円の中に入り体感し、円の外に出てブレークステイとをすることを繰り返します。最後にもう一度円の中に入り、中のすばらしい状態を体験します。そして十分に体験したらゆっくりと外に出ます。
8.そして床の上にある円を好きな方法でしまいます(折りたたんでポケットに入れるしぐさをする等)。

円の中にいる時はパワフルですばらしい精神状態になれることを体験したので、これから必要な時取り出して使うことができます。
疲れたなと思ったら、または、次に人前で話をする予定があったら、エクセレントサークルの中に入ってエネルギーをチャージしてはいかがでしょうか。しまっているサークル(想像上でポケットにしまってあるとする)を取り出し床に広げます。中に入ればエクセレントな状態を再現できます。しまってあるサークルを広げて入ればいつでもパワフルな状態を体感できるようになります。
サークルの中に入ってイメージすると、すぐに元気になれると思いますので、やってみることをおススメします。
お読み頂きありがとうございました。