怒りに隠れている感情
職場で同僚から言われた一言に、後で「どういうこと?」「いやみ?」と思い、嫌な気持ちになることがありました。
「どういうつもりで言ってるの?」と相手に怒りを感じます。
「失礼ね!」「私はあんな言い方はしないわ!」とますます怒りが湧いてきます。
怒りは何で起こるのかと考えると、怒りの裏には自分のむくわれない思いや信念というものがあるというのです。
怒りが湧くのは、自分の信念や考えが踏みにじられて悔しい、つらい、残念…という感情が怒りを起しているというのです。
そして、怒りは相手に向いて、相手を責める気持ちが出てきます。
職場で、上司の指示に疑問や怒りを持つことがあります。
もっとこうしたらいいのにという自分の信念が出てきて、ぐっと言葉を飲み込み、怒りを抑えるしかない場合があります。

怒る相手が家族や友人であれば、自分の思いを伝えて話をすることができます。
それにより、自分の気持ちをわかってもらうこともできるでしょう。
仕事となるとそうもいかず、自分の主張が受け入れられることはほとんどなく、思うように行かないことが多いでしょう。
そして、ストレスが溜まることにもなります。
怒りを感じることはネガティブなことであり、怒りをコントロールしなければと思います。
しかし、ネガティブな感情だからと否定するのではなく、ネガティブな感情も自分の感情であり、感じ切ることは大切なことです。
押さえ込んだとしても、それが心の底にたまり、思わぬときに爆発したりします。
ですから、怒りが湧いてきたら怒りを感じ切るということが大切です。
怒りを感じたことで、自分の本音に気づいたという場合があります。
怒りの裏にある自分が大切にしていた思いや価値観に気づくことがあります。
強いこだわりや執着を発見したという経験です。
満たされない思いやこだわりに気づいたら、いつそんな感情が芽生えたのか、その当時のことを思い出すきっかけになります。
怒りを感じるのは、満たされない自分がいるからです。
どうして怒りを感じるのか、満たされない思いとは何なのか探ってみると原因が出てくることがあります。
なぜ満たされないのかがわかると、満たされない自分をいやすことができます。
その当時できなかったことを、自分自身にさせる、自分にあやまる、これからは違う行動をとってみる…というようなことをやってみます。
怒りを感じたら、あなたの満たされないもう一人のあなたがいるのです。
そのもう一人のあなたと対話し、思いを汲んでみてください。

あなた自身を俯瞰する
怒りを無理に押し込めようとすることはあまりよくありません。
先ほど言ったように、押さえ込んだ怒りは心の奥にたまり、何かの拍子に出てきます。
ですから、怒りが湧いたら、感じて、感じ切ります。
そして、怒っている時に思考しないようにしましょう。
「あの時、ああ言われた。くやしい!」となるので、嫌なことを考えると怒りの炎にどんどん「薪」を加えて燃え上がらせることと同じなので。
怒りが少ししずまったら、視点を自分を俯瞰できる位置にもって行くと、さらに落ち着けるかと思います。
高い次元にあなたを置くということです。
いうならば「鳥の目」を持つということでしょうか。
今の状況が地面に立っている状態だとしたら、あなたはあなた自身がよく見えていないかもしれません。
それを鳥になって、地面に立つあなたを上空から見たらどう見えるでしょうか。
どこかバランスを崩しているように見えるかもしれませんし、どこに向かっているのか、迷っているように見えるかもしれません。
上空から見たら平地にいるときにはわからなかった、あなたの行く道が見えるかもしれません。
「今私がこだわっていることは、果たして自分にとって意味があることなのか?」
「私がやりたかったことを思い出してみよう」
「小さいことばかりを見ていたけど、もっと大きく考えたほうがいいのではないのかな?」、と。
自分はこうありたいという思いや、大事にしている価値観に気づけたということが起こりうるかもしれません。
怒りについて、なぜ怒るのか、何が嫌なのか、過去に同じようなことがなかったかと探っていくと、怒りの裏に隠れているものが現れてくるでしょう。
お読み頂きありがとうございました。