ストレスと感じる理由
仕事でミスをして上司に怒られた場合、恐れや怒りの感情が出てくることがあります。
「ダメ人間」と思われたかもしれないと落ち込むことがあります。
「先輩の言われた通りやったのに、なんで?!」と、原因を考えてしまい、あれこれと悩み感情がますますネガティブになります。
反対に、注意されてもあんまりこたえていないように見える人もいます。

人間は価値感や観念(イメージ)を持っています。
人間は、出来事が起こったら価値感や観念に沿って、その出来事に対して「良い・悪い」という判断を下します。
そして、その「良い・悪い」という価値判断が「嬉しい・辛い」という身体的な反応を生み出すことになります。
イヤだとか辛いと思うと、感覚や感情がイライラしたり、恐れたりとネガティブな反応をします。
人間は、出来事を価値観で良いとか悪いとか判断します。
悪い出来事だと判断したら、怒りや悲しみ、不安などのネガティブ感情が生まれ、落ち込んだりうつうつとした状態に陥ります。つまり、ストレスを抱えた状態です。
自分が持つ価値観によりものごとをジャッジするため、「悪い」と判断されたものは、否定的な感情や感覚を生じることになります。
嫌な感情が生じるのは、出来事そのものではなく、自分の価値感・観念(イメージ)が基になっているということです。
思考と観念(イメージ)

出来事、それ自体は無色透明無味無臭なものです。
人間は、出来事を自分の価値感や観念(イメージ)を通して見るわけです。
価値感・観念というフィルターを通してその出来事を見ることになります。
色眼鏡でものを見るのと同じようなものです。
その色眼鏡で見ると、良いとか悪いという思いが生まれ、「辛い」「苦しい」というような感情が発生します。
辛いと身体が硬くなり、息も浅くなり、気分がどんよりするというような身体感覚的な反応が起こります。
例えば、入社試験で希望する会社に落とされたとしたら、「自分は能力がない。」「自分は価値のない人間だ。」と落ち込みます。
希望する会社に入社できなかったことに対して、自分が価値判断を下しています。
「自分は能力がない」、「自分は価値がない」…
この価値判断は真実なのでしょうか?
出来事はひとつ、入社試験を受けた会社に入れなかったということです。
それに対して自分が解釈を付けます。
でも、様々な解釈が成り立つのです。
その会社が求める人物像が違った、適性が合わないと判断されたのかもしれませんし、企業理念と面接を受けた学生の目指すものが同じでなかったとか、理由は多々あるでしょう。
解釈はひとつではなく、いろいろあるということです。
その中で自分が何を選択するかによって、自分の感情や感覚が変わるということです。
人間は自分が感じているものが真実であると思っています。
起こった現象はひとつであり、事実はひとつです。
しかし、その出来事の解釈は人によって違います。
人間は自分が解釈したことは正しい、事実であると思い込んでいますが、解釈は事実ではないのです。
価値感や観念(イメージ)は無意識の領域にあります。
価値観や観念(イメージ)を修正する、つまり書き換えるということができます。
ストレスを感じる観念を変えることで、どう感じるかという身体感覚を変えることは可能なのです。
考え方やものの見方を変えることによって、解釈はいろいろあることがわかります。
解釈はひとつではないということです。
自分が思い込んでいるのは、その解釈のひとつなんだということです。
ストレスの原因

同じ出来事でもストレスと感じる人とそうでない人がいます。
ストレスと感じる人はつらいという感情を抱きやすいのです。
つらいという感覚を持ち、ストレスだと思う感情の原因は、出来事そのものではなくそれをどう思うか、どう感じるかということです。
自分の中にネガティブな思考や観念があって、それを通して物事を見るとネガティブな感情を持ってしまいます。
ストレスの根本的な原因は自分のネガティブな思考や観念(イメージ)にあるということになります。
つらいという感覚を持ち、ストレスだと思う感情の原因は、出来事そのものではなくそれをどう感じるかということです。
解釈の選び直し
ストレスはネガティブな思考や観念から来ていると言いました。
ストレスを生じさせる思考や観念を変えるために、自分を客観視することが大事です。
何が起こって、自分はどういう感情を持ったか、どう考えたかということをその都度、書き記していくと自分の考え方の傾向がわかります。
ネガティブな気持ちが心を占めている状態にあったら、それをもう一人の自分が外から見ているという状態を作れると思います。
傍観者意識で自分を客観的に見るということです。
ストレス状態のときは自分を客観視するのは難しいかもしれませんが、書き出すことによって、自分の思考のクセがわかると思います。
何を正しいと思っているのか、間違っていると思うのか、こだわりが見えてくるのではないでしょうか。
考え方に偏りがあると思えたら、その価値観を手放し、別な捉え方ができないか、自分を力づける解釈ができないかと考えてみます。
ストレスというのは、自分が自分を苦しめているようなものです。
自分に力を与えてくれて、幸せになれる考え方を選び直していければストレスがだんだん減っていきます。
お読み頂きありがとうございました。