「他人の人生」を生きるとは
他人の人生を生きるというのは、周りの人の意見に従って生きるということです。
親や教師が言ったこと、世間一般にいいといわれていることに合わせて、考え方や行動を決めて行きます。
周りの人がいいといったことに従ってやっていくと、周りの人の期待に応えることができない場合があります。
いいといわれていることができないとできないことに悩み、自分を責めてしまいます。
生きることが苦しくなります。
「他人の人生」を生きていると、不安定な自分になったり、自分が何をやりたいのか、何をやっているときが楽しいのかもわからなくなります。
周りに合わせているために、本当はしたいことがあるのにそれを封印しているので、自分を表現できません。
本来の自分に規制をかけています。
他人の価値観に合わせてしまっていると、他人に支配されているようなものです。
支配というより、自ら自分を周りに合わせるという生き方を自分に課しています。
心は本来の自分を表現できないので、苦しくどうすればいいのかわからない状態になっています。
周りをうかがって、たよりなく誰かが助けてくれるのではないかと思っています。
私たちは、他人から認められたい、ほめられたいと思います。
私たちは周りに合わせていることが安全であり、他人からの賛同や承認を得ることが幸せなことであると教わってきました。
嫌われたくない人にはその人の意見に合わせてしまいます。
嫌われたくないから、関わる人によって態度を変えてしまったという経験もあるのではないでしょうか。
相手から異論が出ると「そう考えたほうがいいかな~という」とか、「特別な例外としてそういうこともありうると言うことで~」とか。
微妙に前延べた自分の意見をずらしたりします。
相手の意見と自分の意見が違うと慌てて修正しようとします。
相手の反応を見て意見を言わなくてはならなくなります。
いつのまにか自分の本心を話せなくなってしまっています。
自分はこう感じて、こう考えているということを自信をもって他の人に話せなくなっています。

「他人の支配」から離れる
私たちは「まず、他人の意見を聞いてからにしなさい。」という教えを受けてきました。
「独りよがりはいけない」、「自分勝手ではダメだ」という価値観です。
自分が感じていることは正しいのか、自分の考えは間違っていないのか疑うことが前提となっていました。
自分の感情や考え方を疑うというのは、自分を信用していないということです。
自分より誰かの考え方が正しいかもしれないから、他人の意見に従っていればいいと言われているのと同じことです。
人間は群れの中でしか生きていけない生き物だから、孤立してはいけないという教えが染み付いているのかもしれません。
しかし、私たちは原始時代に生きているわけではなく、現代に生きているのです。
自分の感情や考え方を尊重できないということは「自分を生きていない」ということです。
自分を生きるには「他人からの支配」から距離を置くことです。
他人からの支配とは、「こうしなさい」「こうでなければならない」という思考から脱することです。
自分で考えて、選択し、行動に移す、自分の思うとおりにやるということです。
そういうと「自分勝手に、好き勝手にやれっていうこと?」と疑問をもたれるかもしれません。
自分がやりたいと思うことをやるというのは、自分が幸福になることをやるということです。
私たちは、いろいろ勉強してから周りの人の意見を聞いてから、準備が整ってから行動しようと思います。
しかし、そういうことをやっても本心からやりたいことをやらないと心は満たされません。
やりたいと思うことは心が求めていることです。
まず、行動することで心が変わります。
行動すると結果がでます。
思った通りの結果が出ることもあるでしょうし、そうでない時もあるでしょう。
成功であろうが失敗であろうが、自分がやったことは喜びであり楽しいことなのです。
自分の人生は自分で創っていくという意識を持つと、他人の支配から距離をおくことができます。
他人が良いと言ったことが自分にとって良いこととは限らないのです。

態度と言葉を変える
生きていれば様々な問題が起こります。
問題が起こったから不幸だと思い込むと、幸福であるためには何事もないことが幸福の条件となります。
これは現実的ではありません。
まったくトラブルや嫌なことが起こらないということはありません。
問題があるかないかということを幸福の尺度としないことが大切です。
ネガティブな出来事は楽しいことではありません。
しかし、その否定的な出来事に対する態度を変えることにより、不幸だと思わなくてもすむということがあります。
問題が起こった場合今までは怒ったり落ち込んだり、悲しんだりしてきた感情のパターンを見直してみます。
感情は外界からもたらされるもので、自分でコントロールできるものではないと思っているかもしれませんが、そうではありません。
周りの人や出来事によって自分は嫌な気分にさせられると思い込んでいます。
外の世界はコントロールすることが出来ないから、ただ受け身でいるしか仕方がないと考えています。
自分はそう感じるしかない、自分には責任のないことだと思いがちです。
しかし実際は、外界の人や出来事が自分を不幸にするのではなく、自分が自分を不幸にする思考と感情を選んでいるのです。
感情は思考から生まれるものです。
感情はものごとに対する反応のひとつです。
感情は感じさせられるという受動的なものではなく、感情は選ぶことができます。
感情を選ぶというのは感情は思考から発生するものですから、その思考を選び直せばいいということです。
例えば渋滞に巻き込まれたら、今まではイライラしたかもしれません。
そのイライラを別な感情に変えることはできます。
イライラしている自分に気づいたら、わざわざ自分が嫌な気分を選ぶことはないと考えれば、気分が良くなる行動を選べばいいということになります。
音楽をかけて気持ちを変えることもできます。
先ほど感情は、思考から発生するものといいました。
自分の思考を変えれば、感情は変えられるのです。
思考を変えるには、自分の足かせとなっているネガティブな思考を認識することが必要です。
自分のネガティブな思考に気づくだけでも考え方を変えるには有効です。
自分の捉われた考え方に気づくと、捉われないようにするにはどう考えればよいかと考えをめぐらし、新しい考えを導き出すことができます。
不愉快になったり不幸になる感情を持つのか、幸福な感情を持つのか、自分で選択できるということです。
誰でも幸福でいたいのです
ネガティブな感情は破壊的な結果を生みます。
いつもポジティブな感情を感じていたいのです。
幸せになるために、ポジティブな感情をもたらす思考を選び直していくのです。
思考の選択をして新しい思考を取り入れたら、何度も繰り返すことで新しい思考を定着させます。
そして、言葉を変えることでエネルギーが変わってきます。
自分にエネルギーを与えてくれる言葉を選び、使っていくのです。
思考が信念となるまで繰り返しやってみることです。
今までと違うやり方で変化を起こしていくことができます。
変化は成長するということです。

最後に
「他人の人生」から脱却するには、「こうでなければならない」という思考を手放すことです。
他人の意見に支配されることではなく、自分の思考や感情を大切にして、自分の本心に従うことです。
思うとおりにやってみることです。
やりたいことがあったら、まずやってみることです。
感情はコントロールできないと思い込んできました。
周りの人や出来事がネガティブな感情を感じさせるという受動的な自分がいました。
不幸の原因は、周りの世界にあると思ってきました。
しかし、周りの人や出来事が自分を不幸にしているのではなく、自分で自分を不幸にしているのだと気づくでしょう。
感情は思考によってもたらされるものです。
思考は言葉によって作られます。
エネルギーを与えてくれる言葉を選び、使っていきましょう。
否定的な感情をもたらす思考は手放し、エネルギーが上がる肯定的な感情を伴う言葉や思考を選び直すのです。
お読み頂きありがとうございました。