一般的に物覚えのいい人がいれば、そうでない人もいます。
新入社員で打てば響くような人は重宝されますが、そうでなかったら、本人も職場の人たちもスムーズな仕事にならず、つまづくことがあるようです。
新入社員ばかりでなく、社歴の長い社員なのに仕事がてきぱきとできず、上司が指導に悩むという場合があったりします。
何度か仕事のやり方を注意して、その時は良くなるけど、また、しばらく日がたつと同じ間違いを繰り返す部下がいると嘆く上司の方がいました。
仕事の順番ややり方を論理的に説明して本人が納得したように見えたけど、同じ間違いをおかすので指導の仕方が悪いのかと悩むということでした。
理屈で説明しても頭の中に定着しないのなら、無意識の力を借りるやり方をおススメしました。
無意識の力を借りる
話が変わるようですが、自転車や自動車の運転はたくさん練習すると、無意識にやれるようになるものです。
考えながらハンドルを握っていては、とっさの判断はできないし、安全な運転はできないでしょう。
それが毎日繰り返し練習することで、無意識に運転できるようになるわけです。
私事ですが、自動車教習所で初めてハンドルを握った頃を思い出すと、緊張し考えながら車を動かしていました。
練習するにつれ無意識にハンドルを切り、クラッチの操作ができるようになっていきました。
何度も何度も練習を繰り返すことによって、また、頭の中でコースの地図を見ながら運転のシュミレーションをやると無意識に運転ができるようになりました。
無意識にできるまで練習する
接客する仕事であれば、お客様は様々であっても、仕事の手順は決まっているものでしょうから、そのやり方や順番を覚えてもらうしかありません。
仕事でいつも注意されることがあるとしたら、パターンを覚えていないということです。
簡単に言えば、その社員に一連の作業や動作を覚えもらうしかありません。
仕事の手順を行為で覚えておらず、上司から注意を受けることが多かったら、無意識でできるよう覚えこむことです。
職場でいつも同じ間違いを何度もやっているとしたら、正しい行為や動作を繰り返し練習することです。
ただ愚直に、それこそ自転車や自動車の運転のように無意識にできるようになるまでです。
かなり、時間を要するでしょうが、同じことを注意されるのであれば、無意識が覚えこむまで反復練習することをお勧めします。
勘をみがく
人間には勘とか第六感というものがあります。
何かおかしい、いつもと違うというのに気づくことがあります。
毎日同じ作業や仕事をしていると、見た目ですぐにわからなくても、何となくいつもと違うということがあります。
それは無意識がいつもと違うと、教えてくれているものなのです。
毎日集中して仕事に取り組むと、念を入れて仕事をしていることになりますから、潜在意識に正しい仕事の仕方や在り方が蓄積していきます。
先ほど言いましたように、車の運転は無意識の力を借りているから抵抗なく楽にできています。
私事ですが、何年も前のことです。
最近は車にはカーナビが不可欠ですが…無い車に乗っていた時のことです。
知人から道を教えてもらった際、山道で何箇所も分かれ道になっている地域を走りました。
その人の車の後ろについて、自分の車を走らせ、地名や目印になるような看板を2,3覚えて行きました。
1回で覚えないといけないという緊張感もあったように思い出します。
2,3日後、教えてもらった道を今度は一人で走ってみました。
二股に分かれているところが数箇所、信号機が2箇所ほどあったような…。
夕方、道に迷ったらどうしようかという考えが少しよぎりましたが、自分の勘を信じて運転しました。
半分、ゲーム感覚のような気持ちで運転していたように思います。
二股の場所で、「どっち?」と自分に問いかけて。
そうすると‥「右」と頭の中で答えが出て、その通り、右にハンドルを切って行きました。
次に信号が出てきて、また「どっち?」と自問して‥。
「左」と答えが出てきたので、左にハンドルを切りました。
走行中は「どうしよう、迷ったら?」と不安にならないよう、考えないようにして、ただひたすら運転に集中しました。
起伏の激しい山の中の市道を走り続けたら、いつもの大きな走り慣れた道に出ました。
…「あ~、よかった!」と、なんかプチ達成の気分でした。
道に迷わなかったのは、先日走った道の視覚情報が頭の中に残っていて、情報が意識に上がってきたのだと解釈しました。
勘にたよって運転するのは、自分を試すゲームのようでおもしろかったでした。
私たちが持っている動物的な勘というか、直感をもっと使ったら、運転もゲーム感覚でできて楽しいように思います。
そして、無意識をもっと活用するとできることが増えるような気がします。
勘を磨くというか動物的な感覚を衰えさせずに使えると日常が楽しくなるのではないでしょうか。
無意識を活用するには何度も繰り返し練習して、考えなくてもやれるというレベルにまですることが必要です。
仕事も同様、理論や動作を潜在意識の中に定着させることができたら、勘が働いたりひらめきが起こったりするものです。
お読み頂きありがとうございました。