高いパフォーマンスを発揮するには、自己コントロールをやめ、無意識に任せる!

スポーツで勝つ、仕事で成果を出すなど、高いパフォーマンスを発揮するには、何が必要なのでしょうか。

それは、頭の中で「こうしろ」「こうするな」と自己コントロールをせず、目の前の試合や仕事に集中し、無心の状態になることです。

この記事は、ティモシー・ガルウェイの著書「インナーゲーム」をもとに、内的会話が能力発揮を妨害していること、高いパフォーマンスを発揮するにはどうすればよいかが書かれています。

「インナーゲーム」のセルフ1とは?セルフ2とは?

セルフ1とは、価値観を持つ自分

セルフ1は意識を持つ自分です。

セルフ1の自分は、様々な価値観を持っています。

私たちは生まれたときから今まで、経験や体験を通して出来上がった価値観を多く持っています。

その価値観は、思考や行動の判断基準となるものです。

セルフ1は、常に頭の中で内的会話をしています。

目の前の状況に、「これはだめだ」「これは大丈夫だろう」「こうしたほうがいい」「そうするな」…と指示し命令をしています。

セルフ1は、今までの経験の範囲内にある制限された意識で、既成の思考の中にいる自己です。

セルフ2は無意識、潜在意識のこと

セルフ2は身体や運動の働きを司っています。

無意識であるセルフ2は、高い学習能力を持っています。

例えば、自転車に乗れなかったのに、練習をすると乗れるようになるのもセルフ2の無意識のおかげです。

頭で考えることなく、ただ何度も試しているうちに、身体が自然とバランスの取り方を覚えていくからです。

無意識のセルフ2は、セルフ1がイメージしたことを実現します。

実行するのはセルフ2ですが、セルフ1のように「こうすべき」「こうしたい」という意志はありません。

無意識のセルフ2は経験によらない直感や、ひらめき、予知能力も持っています。

さらに、無意識は、何かを成し遂げるときに、最も効果的かつ効率的な方法を知っています。

それは、無意識には叡智があるためです。

叡智は単なる知識の積み重ねだけでなく、深い洞察力や創造性、直感的な判断力を含む知恵なのです。

セルフ1(価値観の自分)とセルフ2(無意識)の関係

セルフ1は意志であり、目標や方向を決めます。

目標を実現するのが無意識のセルフ2になります。

セルフ1は「こうしたい」と目標を決め、その達成をイメージします。

無意識のセルフ2はセルフ1がイメージしたものをそのとおりに実現します。

イメージしたものを実現するので、セルフ1が「勝てそうもないな」と頭の中でつぶやいたら、勝てません。

セルフ2はそのネガティブなイメージどおりに負けるというパフォーマンスを実現します。

普段、セルフ1は「こうしたい」「こうであるべき」「それはダメだ」「これは最適でない」「どうしてもできない」…と命令や批判、批評の内的会話を活発にやっています。

内的会話が活発なときには、パフォーマンスの質が低くなります。

自分を批判したり、他人の評価を気にする雑念に捉われて、目の前のパフォーマンスにエネルギーを集中できないからです。

能力発揮を妨害しているのは、自分の価値観に捉われているセルフ1のおしゃべりです。

つまり、自分を批判し、他人の評価を気にしていると高いパフォーマンスはできないのです。

内的会話をやめて無意識に任せると、高いパフォーマンスが実現する

負けた試合では、セルフ1は無意識のセルフ2に対し、「しっかりやれ」「だめじゃないか」「もっとがんばれ」「いいぞ、その調子でやれ」と自分を批判し、評価し、命令しています。

思考しているセルフ1は、試合以外のことを考えています。

「負けたらバカにされる」「失敗したら恥ずかしい」などと心配しています。

失敗しないように、負けないようにしろとセルフ2にさかんに指示命令します。

そうすると、緊張して、身体は固くなり思うように動けません。

思うようなプレーができないので負けてしまうということになります。

反対に、勝った選手は、自分をコントロールしようとはせず、恥ずかしいとか、うまくやらなければならないという自己評価をしませんでした。

ただひたすら、プレーに集中していて、身体が自然と最適に動いてくれたと語ります。

これは、指示や命令、批判をするセルフ1が静かになったからです。

高いパフォーマンスができるときは、無意識にゆだねている状態、つまり無心の状態のときです。

テニスでプレーに集中していると、ボールの回転、ラケットのしなり、足の接地感覚に意識を向けています。

無意識のセルフ2が最適な動きを見つけ出してくれています。

結果を気にすることなく、今に集中している「無心の状態」になったことで、セルフ2が実力を発揮できたということです。

自分をコントロールしようとしないので、身体の緊張がなくリラックスしているので、身体を効率的・効果的に動かせたのです。

無意識は叡智の塊、無心になると無意識が活躍できる

無意識のセルフ2の目的は、自分の能力を出し切ることなのです。

最高の力を発揮することが無意識の使命なのです。

自分を批判したり、まわりの評価を気にしたり、プレー以外の雑念があると無意識は力を発揮することができません。

頭の中で、雑念を払い、批判せず、ただひたすらプレーに集中すると最高のパフォーマンスが発揮できるのです。

いわゆるフロー状態です。

フロー状態に入ると、思考のセルフ1が静かになり、無意識のセルフ2が主体的に動くことができます。

無意識の叡智は、過去の経験やパターンを瞬時に統合し、最適な判断や動作を生み出す力を持っています。

結果として、驚くほどのパフォーマンスや創造的な発想が生まれるのです。

セルフイメージを変えて現実を変える!「演じる」ことで内面が変化するメカニズム


新インナーゲーム (インナーシリーズ)

お読み頂きありがとうございました。

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 潜在意識へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク