「もっと幸せになりたい」「今のままで本当に満たされるのかな？」そんな思いを抱えながら、日々を過ごしていませんか？
結論から言うと、幸せになるには順序が大切です。
私たちはつい、「お金があれば」「理想の仕事に就ければ」と、何かを「手に入れること (Having)」から幸せを求めがちです。
でも、心理学の視点から見ると、本当に大切なのは Being (在り方）→ Doing（行動）→ Having（結果）という”幸せの順序”を意識することなんです。
この記事では、「幸せになりたい」と願うあなたに向けて、
● 幸せになるための順序とは何か
● なぜその順序が心の安定や満足感につながるのか
● 今日からできる実践的なステップ
をわかりやすくお伝えしていきます。
読み終える頃には、これまでの価値観が少し変わっているかもしれません。
目次
幸せになりたい人が陥りがちな３つの誤解
「もっと幸せになりたい」と願う人ほど、「こうすれば幸せになれるはず」と努力しているものです。
そんな真面目な気持ちからこそ、次のような思い込みに陥ってしまいやすいのです。
でも、少し視点を変えるだけで、その行き詰まりから抜け出すヒントが見えてきます。
「何かを得れば幸せになれる」は本当か？
多くの人は「何かを手に入れれば幸せになれる」と信じています。
高収入や理想のパートナー、立派な肩書きなど、Having（持つこと）をゴールにすることで、一時的な満足感は得られるかもしれません。
しかし、それはあやういもので、外的要因によって簡単に崩れてしまいます。
本当の幸せは、もっと深いところにあるのです。
Doing（行動）ばかりに意識が向くとどうなる？
「何かをすれば幸せになれる」という考えも、現代ではとても一般的です。
資格を取る、旅行に行く、SNSを更新する… Doing （行動）を重ねること自体は悪いことではありませんし、充実感を得られることもあります。
しかし、心の土台が不安定なままでは、どんな行動も空回りしてしまい、達成してもなぜか虚しさが残ることも。
Doingはあくまで、Beingから湧き出るものであってこそ、心からの満足につながるのです。
「成功＝幸せ」という思い込みの落とし穴
私たちは「成功すれば、きっと幸せになれる」と思っています。
実は、成功しても空虚さを感じる人は少なくありません。
社会的に評価されても、自分の内側が満たされていなければ、その成功はただの通過点にしかなりません。
誰かの基準ではなく、自分自身の価値観に基づいた在り方から始めることで、成功も幸せも自然に感じられるようになるのです。
幸せの順序とは何か？Being → Doing → Having
心理学と哲学が示す「幸せの順序」
心理学者アブラハム・マズローは、人間の欲求を段階的に説明する「欲求階層説」を提唱しました。
ピラミッドの最上位にあるのは「自己実現」や「自己超越」といった”存在の質”に関わる領域であり、これはまさにBeing （在り方）に通じるものです。
また、哲学の世界でも「どう生きるか」「どう在るか」が幸福の本質とされており、Doing（行動）やHaving （結果）はその延長線上にあると考えられています。
このように心理学と哲学の両面から見ても、Beingを土台とした生き方が、持続する幸せにつながっているのです。
Being：ありのままの自分に戻ることの大切さ
Beingとは、自分がどう在りたいか、どんな価値観を持ち、どう生きたいかという”存在の質”です。
他人の期待ではなく、自分の心に正直でいること。
安心感や自己受容が得られるのは、このBeingが整っているからこそです。
Doing：内側から湧き上がる行動が幸福を生む
Doingは、Beingが整っていれば自然と生まれるものです。
「やりたい」「伝えたい」「挑戦したい」といった内発的な動機から生まれる行動は、達成感や充実感をもたらします。
それは努力や義務感から来る行動とはまったく違う、心が満たされる体験です。
Having：自然に得られるものとしての成果
そして最後にやってくるのがHavingです。
BeingとDoingが先にあることで、結果として人間関係や収入、健康といった目に見える成果が得られます。
逆に、Ｈavingからスタートすると、土台のないまま不安定な満足を追い続けることになります。
なぜBeingから始めると幸せが持続するのか？
外因要因に左右されない心の安定
私たちの外の世界は常に変化しています。
仕事の状況、人間関係、天気、景気…どれも自分ではコントロールしきれません。
ですが、Being＝自分の在り方を変えることで、こうした変化に振り回されない「内なる安定」を育むことができます。
外的な成功や評価に頼らず、「私は私で大丈夫」と思える感覚は、環境に依存しない安定した幸せを生み出すのです。
自己肯定感と幸福感の関係
Beingに意識を向けると、自分自身との関係が深まります。
弱さや欠点を含めて自分を受け入れることで、「ダメなところがあっても大丈夫」と思える自己肯定感が育ちます。
そして、この自己肯定感こそが他人と比較せず、自分なりの幸せを感じる基盤になります。
自分を好きになることは、外からの承認に頼らず幸せを感じられるようになるための、最も確かな方法なのです。
”内的動機”がもたらす行動のエネルギー
DoingがBeingから生まれるとき、私たちの行動には自然なエネルギーが宿ります。
誰かにほめられたい、評価されたいという外的な動機ではなく、「これが好き」「やってみたい」といった内側からの思いが原動力になるため、ストレスも少なく、継続もしやすくなります。
結果として、自分にとって本当に意味ある成果＝Havingが手に入るのです。
つまり、Beingに立ち返ることは、エネルギーの源にアクセスすることでもあるのです。
今日からできる「幸せになる順序」実践ステップ
「幸せになりたい」と願うなら、まずは”どう在りたいか”を見つめること
私たちはつい、「何をしたら幸せになれるのか」「何を手に入れれば満たされるのか」と、外側の世界に答えを求めてしまいがちです。
しかし、本当の意味での幸せは、自分の”在り方”から始まります。
例えば、同じ仕事をしていても、「誰かの役に立てることがうれしい」と思いながら取り組む人と、「早く終わらせなきゃ」と焦りながらこなす人では、満足感がまったく違います。
それは、Doing（やること）の前に、Being（どう在りたいか）が心の中で決まっているからです。
では、「自分はどう在りたいのか？」それを見つけるには、どうすればよいのでしょうか。
以下のヒントを通じて、自分のBeingに気づく時間をつくってみましょう。
「在り方」を見つけるためのヒント
今まで一番幸せを感じた瞬間を思い出してみてください。
そのとき、あなたはどんな気持ちでしたか？
安心していた？ 自由を感じていた？ 誰かと心が通じていた？
その感覚が、あなたのBeing＝在りたい自分のヒントです。
こんなふうに生きられたら理想だな、と思える人をイメージしてみてください。
有名人でなくても、身近な誰かでも大丈夫です。
その人のどんな在り方に心が惹かれているのかを探ってみましょう。
そこに、あなた自身が求めているBeingが隠れているかもしれません。
毎朝「今日はどんな自分でいたいか」を自分に問いかけてみましょう。
例えば、「今日は人にやさしく接する自分でいたい」「焦らず丁寧に過ごしたい」「自分を責めずに穏やかに過ごしたい」など、気持ちの方向性を決めるだけでも、1日がまるで違って感じられるはずです。
小さな行動が在り方を現実にする（Doing）
Beingが見えてきたら、次はそれに合った行動を一つだけ選んでみましょう。
Doingは、在り方に基づいた「自然な流れ」として生まれてくるものです。
例えば
● 「穏やかな自分でいたい」なら、朝のコーヒーをゆっくり飲む
● 「人にやさしく在りたい」なら、誰かに笑顔であいさつしてみる
● 「誠実でいたい」なら、１つだけ約束を丁寧に守ってみる
行動の規模は小さくてＯＫ。
大切なのは、「こう在りたい」という気持ちに沿って行動することです。
そして自然に得られるものがある（Having）
BeingとDoingが整えば、目に見える結果＝Havingは、あとから自然についてくることが多いでしょう。
「満ち足りた感覚」「あたたかな人間関係」「自分を信頼できる気持ち」そういったものは、何かを必死に追いかけて得るものではありません。
自分らしく在り、その在り方に沿った行動を積み重ねる中で、自然と手に入るものです。
たとえ結果がすぐに見えなかったとしても、焦らなくても大丈夫です。
大切なのは、外側の結果以上に「自分の在り方と行動を大切にできた」という確かな満足感を感じること。
自分の内側にある在り方に立ち戻ることで、幸せは「なる」ものではなく、「すでにここにあるもの」へと変わっていきます。
最後に：幸せの答えは、いつも「自分の中」にある
今のあなたにとって本当に大切なのは「何をすべきか」ではなく、「どんな自分で在りたいか」。
その問いに真剣に向き合ったとき、Doing（行動）もHaving（結果）も自然と整っていきます。
そして気づいてほしいのは、自分の外側の世界は、自分の心の反映であるということ。
在り方（Being）が変われば、行動も、見える景色も、付き合う人も、少しずつ変わっていきます。
心の中にある穏やかさ、やさしさ、強さが、やがて現実の中に現れてくるのです。
今日という日が、「幸せになる順序」に気づくきっかけになりますように。
そして、あなたの内側から生まれる静かな幸せが、これからの日々をやさしく照らしますように。
お読み頂きありがとうございました。
