悪口への対処法~ひどいことを言われても落ち込まない:セルフコンパッション

悪口に落ち込むのは

20代の頃、職場で部署の違う先輩から「いいわね。ヒマそうで。」と言われたときのこと、虚をつかれた感じで「なんで?いやみ?」と思ってしまいました。

「私って仕事してないように見られているんだ。」と仕事ができない人と思われていることに落ち込み、傷つきました。

「何であの人からひどいことを言われないといけないの?!」

「私は何も悪いことしてないのに‥」と怒りが湧いてきました。

同じ言葉を他の人が聞いたら、別に何とも思わず、聞き流すかもしれません。

この場合客観的にみたら、他人から私に対して「いいわね。ヒマそうで。」という言葉が発せられたというだけのことでした。

その言われた言葉に対して、私が何らかの反応をしたということです。

その反応というのは、私はダメだと落ち込み傷ついたという反応です。

言われた言葉に反応しないということもできます。

しかし、私はそれに反応しました。

どうしてなのでしょうか?

それは、相手の言うことをそのまま受け取ったからでした。

相手の批判に対して、そうであると私が同意したということだったのです。

悪口に同意する私がいる

人間は同じものを見たり同じ体験をしても、すべての人がまったく同じ感情や感覚を持つとは限りません。

同じような場面を見て自分と同じような感情を持つ人もいれば、そうでない人もいます。

それぞれ抱く感情や感覚は異なります。

ものごとは本来、無味無臭無色透明なものです。

ものごとはただ現象が起こったものです。

その現象に対して自分がどう感じたか、どう思ったか、その出来事に意味を与えているのは自分自身です。

ネガティブに考えるクセのある人は楽しい記憶より辛い苦しい記憶が多かったりします。

出来事の大半に対して苦しいと思ったり、怒ったり、悲しい感情を記憶してきました。

苦手意識や嫌悪感、臆病な気持ち、遠慮がちというネガティブな感覚をよく覚えています。

反対に楽しかったことはあったはずですが、ネガティブな感覚に焦点が当たっているので、よく覚えていません。

自分の中に「自分はダメだ」という思いが強かったりすると失敗したりうまくいかない場合、ダメな自分をよく記憶しています。

そして「やっぱりだめだった」「ほらね、ダメだったでしょう」と心の中でつぶやきます。

自分を責めるということにもつながったりします。

「私はダメだ」という思いがあったとしたら、他者からの「あなたダメね」という言葉を受け入れてしまいます。

自分の中に自分を否定する思いがあるからです。

相手の批判に同意してしまうのです。

他者からの言葉に傷つくということは自分を自分で傷つけていることと同じだといえます。

また、傷ついたというときは「私は何も悪くないのに」という思いが隠れています。

「傷つけられた」という被害者意識があります。

被害者意識は起こった出来事や結果は自分以外の責任であり、自分には責任がないという意識です。

この被害者意識を持っていると自分の周りの出来事は、すべて自分以外のものの思惑によるものだということになります。

そうだとすると、自分にはどうすることもできないし、私には責任はないという思考になってしまいます。

セルフ・コンパッション

他人の言葉で傷ついたら、セルフ・コンパッションをしてみてください。

自分自身に優しい言葉を掛けてあげるのです。

そして、心の中にある自分を責める価値観を手放すことです。

自分攻めをしてもいいことはありません。

新しい価値観を選択してはどうでしょうか。

自分に力を与えてくれる思いを選び直すことができます。

「私は健康と幸福と平和を選ぶ」と宣言してはどうでしょう。

そして、被害者意識があるとしたらそれを手放すことです。

被害者意識を持っていると、自信がなく苦しい状態に置かれたままで、幸せからと遠ざかります。

あなたには選ぶ力があるということを思い出してください。

自分が人生の主導権を持っているということを忘れないでください。

私は誰にも傷つけられる存在ではないと思えます。

他人の言葉や行為で傷ついたというのは、その人と同じ思いが自分の中にあったから傷ついたのです。

他人の言葉で傷ついたとしたら、他人の悪意ある思いが自分の心の中にもあるということです。

他人の心無い言葉に反応して自分で自分を傷つけてはダメです。

そのネガティブな言葉を自分が受け入れたからネガティブな反応をしたわけです。

他人の言葉を受け入れなくてもよいと思うことです。

自分を肯定する言葉をたくさん持つことです。

いつでも選び直せると気づけば、幸福、平和、健康という力を与えてくれる新しい思いを持つことができます。

そうしたら「私は傷ついた」という言葉を言わなくなるのではないでしょうか。

お読み頂きありがとうございました。

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