表題を見て、積極的な子にする方法が書いてあると思い読み進められても、ご期待に添えないかもしれません。
そういう方には前もって、「申し訳ありません。」とお詫びの言葉を申し上げます。
子供の性格を直したい
知り合いの女の子は、小学6年生で三姉妹の長女です。
性格はおとなしく、従順な子です。
両親はそのおとなしい性格に不満があるようです。
もうすぐ中学校に上がるのに、自ら行動しない長女にいらだちを感じており、消極的な性格は生まれつきだからしようがないと嘆いています。
性格は、遺伝的なものと後天的なもの(環境など)から作られるといわれています。
その女の子の母親は、下の妹たちよりも厳しく育てたようです。
「お姉ちゃんだから、妹たちの面倒をみなければいけない」「親の言うことはちゃんと聞きなさい」と言われ、その通りに従ってきたのでしょう。
長子は一般的に下の兄弟姉妹の面倒を見させられたり、しっかりしなさいといわれて育つようで、まじめな子が多いのではないでしょうか。
子供を型にはめない
もともと私たちは、赤ちゃんのとき、大きな声で泣いていました。
赤ちゃんは、あたりかまわず、おなかがすいたとかオムツが汚れて気持ち悪いとか、自分の欲求を満たすために大きな声で泣きます。
大きな声で泣いていた赤ちゃんは、成長するにつれてだんだん声が小さくなっていき、自分の気持ちを抑えるようになっていきます。
親が「大きな声でさわいではいけない」「静かにしなさい」と幼子に言います。
子供は親を好きで、愛されたいと思っているので、親の言うことを聞きます。
まじめな子ほど周りの大人たちのいいつけを守ります。
物心ついてきて周りの様子を伺いながら、自分が安全でいられるところを探し、「こんなことを言っては怒られる」「ああいうことをすると、後からしかられる」と学んでいき、周りに合わせて生きていきます。
子供は一人では生きていけないので、当然親の保護の下育つわけですから、親の言動を見て育ち、その価値観を受け継ぎます。
その女の子がおとなしく積極的でないということは、親に従順に従っていれば自分は安全、安心で暮らせると思ったからでしょう。
長女であるから、お手伝いもして妹たちの面倒をみる良い子なのです。
しかし、「もうすぐ中学生だから、積極的に動いて欲しい」と親はさらにその子に要求をしています。
「自分で考えて、自分で行動しなさい」と言っています。
それは今までやってきたことの正反対のことを要求しています。
親は、子供の性格が悪いまたは物足りないと不満をいい、遺伝だからしようがないと嘆きますが、それは親の身勝手ではないでしょうか?
小さい頃に、親の言うとおりにする子に育てたのではないですか?
わがままをいわない、お手伝いをして、妹たちの面倒をみる子に育てられ、長女は言うことを聞いてきたのに、…。
子供をあれこれいじらないことです。
子供をやさしく見守っていればいいのではないでしょうか。
人間は神の心を持って生まれてくるといいます。
親は子供の将来を案じて、「あれをやってはいけない」「こうしなければいけない」と言いますが、子供は何でも経験してみたいのです。
親は、安全な道を歩けるようにと「道」をならさなくてもいいのです。
人間は経験から学ぶものです。
一人ひとりが学ぶことを決めて生まれてきています。
親の型に子供を押し込めていないでしょうか。
小さい頃は言うことをよく聞く良い子であったのに、中学に行くのだから、もっと積極的に自分で行動しなさいというのは、子供に酷ではないでしょうか。
また、別な新しい枠を作って、子供をあてはめるのですか?
自主的な子に育てたいのなら、幼い頃からそうすべきではなかったですか。
子育ての極意は、「子供の好きにさせる」ということではないでしょうか。
幼子の頃から信じて、温かく見守ればいいのではないでしょうか。
子供は親の背中を見て育つのです。
親が変われば、子供は変わるのです。
お読み頂きありがとうございました。