食べ過ぎや飲み過ぎをやめたい~悪習慣にある肯定的意図をさがすワーク

暴飲暴食がやめられない心理

「つい食べ過ぎてしまう」「また飲みすぎた」ということがたびたびあります。

度を越しているなと自分で意識しており、毎回食べたり飲んだりしたことを後悔しているとしたら…。

飲食中は楽しいけど、腹八分目でやめられないでいます。

適度なところでやめられたら良いのにと思っていますが、やめられません。

飲食後に何かモヤモヤすると自覚している人もいます。

しかし、意識できないでいる人もいます。

暴飲暴食がやめられない理由を心理的な面から考えてみます。

あなたは何を求めているのか、心の中にある無意識が望んでいることを知るワークをご紹介します。

脳内のプログラムのでき方

コンピュータのプログラムと同じように人間の脳内にはプログラムがあります。

ある刺激がある(入力)と必ず同じ結果(反応)が出てくるというようなプログラムです。

例えば、「高所恐怖症」は高いところから落ちることによって、高いところが恐く高い所に登るのは苦手になります。

高いところを認識すると危ないと感じ、恐怖心が起こり、身体が震える、高い所に登らない、近寄らないという反応が起こります。

「恐怖症」は強烈な印象を持った体験が元になって出来上がるプログラムです。

また、継続的な刺激によりプログラムが出来上がることもあります。

子どもの頃から親から言われていた言葉が価値観となり、プログラムが出来上がることがあります。

幼い頃は疑うことをほとんどしませんから、例えば「素直じゃない」と言われ続けたら、自分はそうなのだと思い込みます。

そして、そういう行動を取っていきます。

プログラムは無意識の領域で作られ、保存されています。

プログラムを作る目的は安心・安全を確保するためです。

プログラムは生存欲求を満たすため

人間の根本的な欲求は生存欲求です。

安全であり安心できる状況や状態、人物を求めます。

安全で安心できるように人間はプログラムを作ります。

脳は「快」を求めて「痛み」を避けるといわれます。

「痛み」は身体に感じる痛みと精神的な痛みです。

痛みを避けることによって身体と精神を安全に保とうとするのです。

「快」を求めるのは、うれしい、楽しい、ワクワクするというポジティブな感情を感じたいからです。

ポジティブ感情の時は精神が高揚しているときでもあり、免疫機能も高まりストレスのない状態ですから、生存するのに適した状態です。

痛みを避けて快を求めることは、安心で安全な状態を確保することになります。

プログラムは安心で安全を確保するために、無意識で作られるといいました。

プログラムには自分自身にとって肯定的な意図があるのです。

プログラムの作られた当時、その人その人に肯定的な意味を持つものが作られるのです。

食べ過ぎや飲み過ぎで満たしたい感覚

人は皆、永く安全に生きながらえたい欲求があります。

自分の中に自分を守る心理があります。

それなのに、なぜ、食べ過ぎたり飲み過ぎたりと身体に悪いことをしてしまうのでしょうか。

食欲を満たすのは当然なのですが、それ以外に自分の心の何かを満たしているといえます。

自分ではっきりと意識していないけど、心の中に満たされない何かがあるのです。

例えば探っていくと、解放されたいとか、人とのつながりを感じたいとか過去を思い出し癒されたいというような気持ちが出てきたりします。

今やめたいと思う習慣をやっているときには、感じている感覚があります。

その感覚は自分にとってポジティブな感情なのです。

やめたいのにやめられない行為をやっているときは「快」の感覚を感じています。

食べ過ぎや飲みすぎたあとに後悔の念が出てきますが、食べたり飲んだりしている時は「快」を経験しています。

その「快」と同質の感覚を別な行動で代用できるなら、精神的に肉体的に害と感じられないものに変えていくこともできます。

同質の「快」の感覚を感じることが出来たら、習慣を変えられます。

暴飲暴食の肯定的意図を探るワーク

1.暴飲暴食の肯定的意図を探ります。

過食や過度の飲酒の自分を思い出してみます。

頭の中で食べたり飲んだりしている自分をイメージして体験します。

どんな感情であるか、どんな気持ちであるか、体験しているときに感じる感覚を特定します。

そして、感じる感覚を身体のどこで感じるか特定します。

そのものを形や色や大きさや重さや温度等を特徴を付けて、表わしていきます。(奇妙に感じられるかもしれませんが、自分と「その感覚」を分けることによって特定が出来ます。)

それを胸のあたりで感じるとしたら、例えば、色はグレーで大きさはテニスボールぐらいで、重さは50gくらいで、冷たいとか…と表現します。

その特定したものをXと名づけます。

そのXに質問します。

「その行動(食べすぎや飲みすぎ)をすると何が得られますか?」

「そのことで何を教えてくれようとしていますか?」

頭の中で思考を止めて、答えが来るのを待ちます。

直感や短い言葉で答えが返ってくるでしょう。

例えば、ストレス発散、解放 、安心、やすらぎ…という言葉が出てきたとしたら、答えてくれたらXに「ありがとう」と感謝を伝えます。

(おかしなことをすると思われるかもしれませんが、御礼を言ってください。Xとして、自分自身と分けて「特定」することで意図を探ることができます。)

質問の答えがなかなか出てこない場合もあるかもしれませんが、時間がかかっても答えは返ってくるのでお待ちください。

2.より深いレベルでの肯定的意図を探り、それを感じる

「より深いレベルでどのような肯定的意図があるのですか?」

と聞いてみます。

最後に出てきた肯定的意図を感じてみます。

過食する自分は … 安心、親の愛 …などの言葉が出てくるかもしれません。

悪い習慣があると思っているのは、自分の根本的な問題があると思っているからかもしれません。

食べ物やお酒に依存しているのは、食欲だけではなく、別なものを満たしたいと思っているからと気づくでしょう。

今までは問題に向き合うのがめんどうだから、昔の傷を思い出したくないから自分の心に向き合わないできたのかもしれません。

深く探っていくと、欠乏の心に気づくかもしれません。

肯定的意図を探ることによって、自分を満たすにはどうすればよいか考えることができます。

そして、もっと自分を幸せにする方法を見つけることができます。

関連記事:やめたいのにやめられない、悪習慣をやめる方法~肯定的な意味を持つ新しい習慣に変える

お読み頂きありがとうございました。

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