突然不安な気持ちになったら
やったことのない事をやらなければならない時、人はみな不安な気持ちになります。
初めて取り組む仕事など、「うまくできるだろうか」、「いい評価が得られるだろうか」と不安と心配が交錯します。
そう考えていると、余計に不安が増すということにもなってしまいます。
人間が不安になるのは、早く不安を取り除いて安全な状態になりたいからです。
日常の生活の中には、不安のタネはいっぱいあるかもしれないし、人それぞれです。
不安な気持ちになった時、不安な感情を押さえ込んでみても、不安な感情は解消されません。
「そんなことでどうする」「もっと、しっかりしろ」「そんなことを気にしてはいけない」と思おうとします。
しかし、ますます不安が大きくなってしまいます。
身体は緊張し、呼吸が速く浅くなり、心臓がドキドキし、どうしていいかわからなくなることがあります。
「リラックスしなさい」といわれても、できないでしょう。
分かっていても、身体がそうはなりません。
不安と戦っている状態ですから、戦うことをやめなければなりません。
深呼吸をする
不安が出てきたら、深呼吸をしましょう。
まず、大きく吐いてから吸います。
吸う時間より吐く時間を多くします。1~4で吸ったら、1~8で吐くというように。
呼吸にしばらく集中します。
身体が緩み、少し落ち着いたのではないでしょうか。
体の一部に手をあて、語りかける
胸とかお腹のあたりに、しっくりするところに手をあてて、自分にやさしい言葉を掛けます。
「大丈夫。大丈夫だよ。」「落ち着いて。落ち着こう。」「すべてうまくいく。心配ないよ。」と
さすりながら、言うと次第に落ち着いてきます。
友人が苦しそうにしていたら、「大丈夫だよ」と声を掛けて、背中をさすることがあるでしょう。
それと同じように、自分自身にやってあげるというイメージです。
不安を感じている身体の部分、胸とかみぞおちとか、首の後ろとかをさするのも効果的です。
不安と戦わない
不安な感情を否定せず、今不安を感じていることを認めます。
不安な感情を受け止めるようにするほうが、不安な気持ちから早く開放されます。
私は、何を感じているのだろう?
どんな事を不安に思っているのだろう?
どんなイメージを持っているのだろう?
と、自分の気持ちを感じてみてください。
考えるのではなく、感じてみるということです。
不安な感情が強く感じられるかもしれません。でも、ずっとは続きません。やがて、小さくなるのを感じるでしょう。
不安な気持ちを認めたら、戦うことはできません。
少し冷静になったら、恐れていることは何なのか、起こりうる想像できる最悪の事態を考えてみます。
具体的に考えてみて、どのようなことが起こりうるのか書き出してみます。
不安なものを、自分の中から外に出すというイメージです。
自分の外側に出して見ると、冷静に見ることができます。
そして、不安の具体的な姿を見ると、それを受けとめ、どうすればいい考えることができます。
確実に起こるものなのか、ただの空想だけのことなのか、明らかになるのではないでしょうか。
根拠のない恐れであるかもしれません。
具体的に困ったことが起こるとしたら、具体的に解決方法を考えてみます。
不安と向き合って受け入れたほうが、戦っているときよりずっと不安が小さくなっていることに気づくと思います。
自分自身に「そんなことでどうする?!」「もっとしっかりしろ!」といい続けて、自分を責めても恐れはなくすことができません。
恐れを持っている自分を受け入れることが大切です。
不安に襲われたからこそ、早く脱出したいと焦り、「だめじゃないか、ちゃんとしろ!」と思ってしまいます。
「不安な自分」は、イヤなのです。
不安を受けとめるということは、「不安を感じている自分」を認めることです。
「たいへんだったね」「大丈夫だよ」と自分にいたわる言葉を掛けてみてください。
恐れている自分を責めても、不安はなくなりません。
不安に抵抗している状態から、抵抗をやめて、受け入れるのです。
不安は感情のひとつですから、すべての感情は必要な感情ですから、感じていいものだと思ってください。
感じる感情はネガティブなものであろうと、自分のものであるということを認めると、不安や恐れの感情は小さくなり、消えていきます。
不安に襲われるのは突然です。
急に突風が来たような感覚で、不安に襲われます。
不安を感じている自分がいます。
その不安を感じている自分を見ている客観的な自分を想像してみましょう。
気持ちを落ち着かせるには、深呼吸をして、体をさすりながらやさしくはげます言葉を掛けて、あなた自身に優しくしてみて下さい。
瞑想をする
瞑想は、ストレス軽減の効果があるといわれます。
また、自己の集中力が高まり、他者への共感性が向上するという実験結果もあります。
長期の不安対策として、瞑想をおススメします。
やり方としては、椅子に座ってもいいし、床に胡坐をかいて座ってもいいです。
姿勢を整えて目を閉じ、呼吸に意識を集中させます。
鼻から吸った空気が、のどから肺へと移動するとイメージしてみてください。
吸い込む時の息は冷たく、吐いた息は温かくなっていることが感じられます。
吸う時間より吐く時間を長くします。
吸ったり吐いたりするたびに、体内の空気の循環を感じるイメージを持つといいでしょう。
目を閉じていると、様々な雑念が浮かんできてきますが、それを追いかけないようにします。
ただ自分の呼吸に集中します。
初日は10分間ぐらいでもよく、その後は、数分ずつ時間を長くして20~30分くらいを目標にしてみましょう。
呼吸に集中する方法でしたが、慣れてきたら、意識を身体の一部に向けて瞑想してみてもいいかもしれません。
目を閉じ、右の手のひらに意識を向けます。手のひらの感覚を感じ、それから、左の手のひらに意識を移します。
はじめはなかなか変化を感じられないのですが、何度かやっていくうちに手のひらが温かくなったような、またはジンジンする感覚になります。
メンタルの安定のため、瞑想を習慣にしてはいかがでしょうか。
お読み頂きありがとうございました。