電話取りは雑用か?会社の顔か?
会社の電話取りは新人の仕事といわれる所もあれば、手のあいた人が取るという所もあると聞きます。
おおむね電話取りは新人の仕事といわれるところが多いのでしょうか。
組織の大きさや業種によっても電話取りに対する考えは違うでしょう。
電話取りを雑用と考えて、それをやるのは主に新人が担当するという考え方であれば、会社の組織をヒエラルキーとすると一番社歴の浅い新人がやるということになるわけです。
この考え方だとヒエラルキーの頂点である社長が電話を取るということはありえないことでしょう。
「会社での電話取りは社長の仕事」と書いてある本を読んだことがあります。
中小企業の社長である筆者は「電話取りは社長の仕事」として社長自ら電話を取っているとのことでした。
「自分の会社に電話をかけてくる人はほとんど自分(社長)に用事があってかけてくるのだから、待たせることは失礼である。だから直で、話ができたら相手を待たせることもない。取り次ぐ時間の節約にもなる。」という考えです。
電話取りを会社の営業の一部(きっかけ、入り口)と考えているとのことでした。
そして電話を「会社の顔」と捉えているため、電話取りは大事な仕事ということでした。
社長自ら電話に出ることで、顧客の満足度を高め、関係先との仕事を円滑に進める効果があるようです。
社長が自ら電話を取るのは相手に不便をかけてはいけないという社長の思いからです。
また、社長自らが率先して働く姿勢を従業員に見せる効果もあるといえそうです。
最近は会社の固定電話を使わないところも多いと聞きます。
担当者の携帯電話に直に電話が行くようです。
電話取りによる取次ぎの時間がムダであるとか、固定電話で対応する人だけでなく、周りも電話により業務が中断されるという弊害をなくすという目的で固定電話の使用をしないということのようです。
コミュニケーションはエネルギーの交換
電話対応も一つのコミュニケーションです。
電話をコミュニケーションツールとして考えてみます。
より効果的なコミュニケーションができるようにするにはどうしたらいいかと考えると電話対応の意識が変わるのではないでしょうか。
コミュニケーションは言葉を使って行うものです。
言葉以外にも手振り、身振り、表情や姿勢、声の抑揚、目の動き等の非言語のコミュニケーションがあります。
「目は口ほどにものを言う」ということわざの通り、言葉以上に表情が人の心を表わします。
電話であれば声のトーン、話の速度、話し方など声を主にコミュニケーションしなければなりません。
こちらの情報を伝えるだけではなく、相手が伝えたいことを的確に受け取る能力が必要となります。
コミュニケーションは相互作用でありますから、一方的な主張だけではコミュニケーションの成果は期待できません。
主に耳を使っての情報の取得ですから、聴く能力が重要になります。
話している相手から伝わってくる感情に注意を払って聴くことが大切だといえます。
聴くという行為の目的は相手が持つ情報や相手の感情を受けとめることです。
そして、話し手である側の言葉がすべて、聞き手に届いたと実感させてあげることが大事です。
そのためには、相手の話を途中でさえぎることなく、話し終わらない前にこちらが話すのではなく充分に余裕を持って対応することが必要になります。
自分の価値判断をはさまず、相手の言葉に集中して受け取ることが求められます。
相手の考えを鵜呑みにするということではなく、まず相手の考えや思いを受け入れることが先だということです。
それからこちらの考えや思いを伝えることができれば、お互いの主張を受け入れることができたといえるのではないでしょうか。
相手の心を受け止めて聴くことができれば、共感が生まれ、よりよいコミュニケーションができるように思います。
お読み頂きありがとうございました。