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初対面で必要なのはラポール
初対面の人との会話が続かず、途切れ途切れで、お互いぎごちなくなったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
コミュニケーションにおいて重要なのは、信頼関係(ラポール)だといわれます。
人間は安全だと感じた相手に心を開きやすいという特徴があります。
相手が安心・安全な存在と感じられたら、信頼関係ができやすいということです。
安全、安心だと思えるには「よくわかっているかどうか」というのが大事です。
無意識レベルにおいて、人間は安全なコミュニケーションを求めているからです。
相手のことがよく分からない初対面であれば、すぐに打ち解けて話をするのは難しく感じる方が多いのではないでしょうか。
仕事やプライベートで初対面の人と話をする時、できたらスムーズに会話ができてお互い打ち解け合えたら理想的です。
相手を知るにはまず、会話によって知ることです。
質問することによって相手を知ることができます。
相手をよりよく知るために、初対面の人との信頼関係(ラポール)を作るための質問法があります。
会話で信頼関係を作る質問法
閉じた質問と開かれた質問(クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン)
1.閉じた質問(クローズドクエスチョン)
クローズドクエスチョンは、「スポーツはお好きですか?」、「車を運転しますか?」など、「はい」「いいえ」で答えられる質問です。
質問された側の答えには、「はい」「いいえ」以外の選択肢がない答えです。
2.開かれた質問(オープンクエスチョン)
オープンクエスチョンは、「好きなスポーツは何ですか?」、「運転歴は何年ですか?」など「はい」「いいえ」だけでは答えられない質問です。
質問された側が、自分で答えの内容を考えて選び返事ができる質問です。
答えが「はい」「いいえ」しかないクローズドクエスチョンだけでは、詰問調になってしまいます。
質問されている側は、尋問されているかのように感じますので、オープンクエスチョンを併用しながら会話すると話が広がりやすくなります。
オウム返し(バックトラック)
バックトラックは相手が話した言葉をそのまま返すというものです。オウム返しです。
会話例(バックトラックなしの場合)
A:趣味は何ですか?
B:スポーツです。
A:どんなスポーツをやってらっしゃるのですか?
B:テニスです。
A:テニス暦は長いのですか?
B:学生時代からやっています。
会話例(バックトラックありの場合)
A:趣味は何ですか?
B:スポーツです。
A:スポーツなんですね。
A:どんなスポーツをやってらっしゃるのですか?
B:テニスです。
A:テニスなんですね。
A:テニス暦は長いのですか?
B:学生時代からやっています。
A:そうですか。学生時代からやってらっしゃるのですね。
バックトラックなしの場合は質問が次々と続くので相手にとっては窮屈に感じられるでしょう。
尋問されているように感じるかもしれません。
対して、バックトラックありの場合は繰り返すことで相手に安心感を与えるので、会話がスムーズに進んでいると感じるでしょう。
バックトラックをすることで、相手に「はい」(イエス)をたくさん言ってもらっています。
質問した側も相手の言葉を繰り返すことで心の中で「はい」(イエス)と言っているわけです。
無意識において、「はい」(イエス)は「受け入れる」という意味があるので、繰り返し「はい」を言う状態が続くと互いに心が開いていく状態といえます。
次第に緊張感が解かれて和んでいくことにもなります。
バックトラックをする場合の注意点として、会話は相手のペースに合わせていくことが大事です。
ゆっくり話す相手であれば、バックトラックをしやすいです。
しかし、早口の人の場合、相手が一度にたくさん話したいのであれば、バックトラックを挟む余裕がないかもしれません。
そういう場合は相槌をしっかり打つことであなたの話をしっかり聞いているという姿勢を見せることが大事です。
要所要所で短くバックトラックをするという方法がいいでしょう。
コミュニケーションで大切なのは相手を受け入れる姿勢
会話によって初対面の人と信頼関係を作る前提として、まず相手に対する興味や関心を持つことが大切です。
コミュニケーション能力が高いといわれる人は、人に対する興味や関心が高いといわれます。
そして、聞き上手だとも言われます。
相手のペースに合わせて質問するのが上手で、会話の流れがスムーズです。
会話の上手な人は、質問に対する相手の答えの中に次の質問の要素を見つけて、それを質問しています。
映画鑑賞が趣味だというのであれば、「どんなジャンルの映画が好きなのか?」「どういう点が好きなのか?」相手の答えを受け取り、自分の頭の中でイメージしていきながら会話を進めていっています。
繋がりのある会話により、徐々にお互い共感し合える状態になっています。
先ほども言いましたが、人間はコミュニケーションにおいて安心・安全を求めるものです。
人は、正確なコミュニケーションを求めているのではなく、安全なコミュニケーションを求めています。
人間にとって究極の安全は、お互いが安全な存在であると認識できることです。
人間を受け入れるという姿勢が相手の無意識レベルに伝わります。
バックトラックにより承認されているという感覚が相手に伝わり、コミュニケーション能力が高められるといえます。
最後に
人間は安全を求める存在です。
初対面の人はお互い知らないわけで、お互い警戒心があるため、最初からスムーズに会話が始まらないのが普通でしょう。
こちらが相手の話を聞いて相手の主張や考えを理解するのは大切ですし、また、こちらの考えや意見を受け入れてもらえることも大事です。
そのためには、相手との信頼関係(ラポール)を築くことが必要になります。
こちらの言葉を受け入れてもらうために、いくつかの質問法を交えて会話をしていくのが良いでしょう。
人間は安全・安心を求めるものですから、まず安全なコミュニケーションを行う姿勢がポイントになってきます。
そのためには相手に興味や関心を抱き、尊重するという姿勢が求められます。
安全なコミュニケーションというのは、お互い、同じような人であると感じられるコミュニケーションといえます。
共通点がたくさんあり共感できる存在だとわかれば、心を開いてくれます。
安全なコミュニケーションができるようになったら、効果的なコミュニケーションがしやすくなります。
自分の主張や意見を受け入れてもらい、こちらの意図した結果が得られやすくなるといえます。
お読み頂きありがとうございました。