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心の中にいる「子どもの頃の自分」
潜在意識には、子どもの頃から現在に至るまで膨大な記憶が残っています。
潜在意識の記憶の中には、「子どもの頃の自分」がいるのです。
インナーチャイルドは、その「子どもの自分」の記憶です。
記憶されているのは出来事はもちろん、その時どう感じたかという感情も含まれています。
幼い頃親や育ててくれた人とのかかわりから、満たされない思いや不安や恐れという負の感情が、心の中にそのまま置き去りにされていることがあります。
愛を充分にもらえなかったという思いが「子どもの頃の自分」の中にあり、大人になっても傷として残っていたりします。
「子どもの頃の自分」が大人になった今でも、インナーチャイルドとして自分の中に生きています。
自己嫌悪とインナーチャイルドの関係
自己嫌悪は自分が嫌いという思いです。
子供の頃、完璧で理想的な人になりたいと思い、そう努力をしてきました。
しかし、現実の自分は、理想的な人間には程遠いと絶望し、理想と現実のギャップに苦しむ場面が出てきます。
そして、自分には価値がないという結論を出してしまいます。
自信が持てない状態が続き、自分を否定し嫌うということになりました。
自分で選んで理想の人間を目指していると思い込んでいたのですが、本当はその理想の姿は、親や育ててくれた人の理想であったことに気づきます。
子どもの頃、親や周りの大人たちから「ダメな子」「なんでできないの」「もっとちゃんとしなさい」「お姉ちゃんなんだから」と否定的なきびしい声を聞いてきました。
否定される言葉が心に刻まれ、大人になった今も自分を否定する声として耳に響くことがあります。
その自分を否定する言葉が、自己嫌悪の根本的な原因になっている場合があります。
幼い頃親が子どもに無関心でいると、子どもは不安な気持ちになりおどおどします。
上手にできたのにほめてくれなかったり、ちゃんとやったのに評価してくれないと、自分のやったことは正しいのか、間違っていたのか子どもはわかりません。
そして、何も言われない子どもは、自分の行動に自信が持てずに大きくなります。
行動に自信を持てないから、自分を肯定できないでいます。
そして、ほめられない、評価されない私はダメな人間なんだと思い込み、大人になってもずっと自信を持てないままでいます。
自分を見る目はきびしく、いつも自分をジャッジしています。
ダメな自分を責めて、自分を嫌っています。
そのダメな自分をきびしくジャッジするので、ますます自己嫌悪が強くなります。
今も現れるインナーチャイルド
大人になってからインナーチャイルドが現れ、自己嫌悪に陥る場面が出てきます。
自分の中のインナーチャイルドは「私はダメな子よ」と主張するかのように、職場や家庭で子どもっぽい行動をしたり、子どもの頃の態度をすることがあります。
職場の先輩に「あなたは自分がない」と言われた人がいます。
そう言われるのは周りの人たちにいつも合わせてしまっていたから、「自分がない」と映ったのでしょう。
子どもの頃から周りの大人たちに合わせていかなければ生きていけなかったからかもしれません。
自分の考えを言ったり感情を出したりすると、否定されてきたのかもしれません。
その子は自分を守るために周りに合わせてきたのでしょう。
インナーチャイルドの癒し方
インナーチャイルドと向き合うワーク
次に述べる情景をイメージしてみてください。
大人のあなたは、田舎の一本道を歩いています。
遠くに大きな木が見えてきました。
近づくにつれて、その大きな木の下に幼い子どもがいるのがわかりました。
その子は幼い頃のあなたです。
向かい合って、その子とお話をしてみてください。
どんなことをお話しますか?
気をつけていただきたいポイントとして、その子を否定しないで、お話を聞いてあげてください。
その子はどんな思いや感情を抱えているのか聞いてみてください。
その子の思いや感情に寄り添ってみることが大切です。
インナーチャイルドを受け入れる
自分を嫌うことは自分を否定することです。
あなたの中にいるインナーチャイルドは、あなたの一部です。
その子を否定することは、あなた自身を否定することになります。
幼い頃の「子どもの自分」を受け入れることができたら、あなたはどうなるでしょうか?
「ダメな子だ」という否定的な言葉を取り除き、「だいじょうぶ」「そのままでいいんだよ」と肯定的な声をかけてみてください。
長い間「子どもの頃の自分」と向き合うことをさけて、その子を無視してきたかもしれません。
しかし、その幼い子は自分自身なのですから、受け入れて愛してください。
丸ごと許し、「愛しているよ」と伝えてあげてください。
お読み頂きありがとうございました。