捕われた過去のレッテル
変わりたいと思っていろいろやってみるけど、何も変わらないという人がいます。
心の中に「私はこういう人間だ」「私は昔からいつもそうだった」「性分だからどうしようもない」という思いが隠れているのではないでしょうか。
人は「私は〇〇である」と自分自身を断定する言葉を持っています。
過去の経験から貼られた自分自身のレッテルがあります。思い込みがあります。
レッテルを貼る思考は、決めつけなのです。
他人に「あの人は〇〇だ」と断定すると相手を特定することが出来ます。
分からないものがわかったような気持ちになります。
自分が貼ったレッテルは相手の本質を捉えているとは必ずしもいえません。
ただ、貼ることによって相手を自分はどう捉えているか見方が決まってしまうということになります。
一度レッテルを貼るとその考えは変わりません。
別な見方が出来なくなり、固定した考えが出来上がってしまいます。

誰かに貼られたレッテル
自分に貼られたレッテルは幼い頃、誰かがあなたに貼ったものだったりします。
子どもの頃、周りの人たちによって貼られたレッテルがそのまま大人になった今でも貼り付いているものがあります。
「あなたはおとなしい」→「私はおとなしい」
「あなたは恐がりだ」→「私は恐がりだ」
「あなたはかわいくない」→「私はかわいくない」
「あなたはがんこだ」→「私はがんこだ」
「あなたは自分勝手だ」→「私は自分勝手だ」…
という他人から決めつけられた言葉をそのままずっと心の中に持ち続けていることがあります。
貼り付けられたレッテルをそのまま受け入れています。
自分に対する思い込みがあります。
子どもの頃は周りの大人たちに従います。
何の疑いもなくその人たちの言葉を受け入れていきます。
周りの人から「あなたは内気だ」という言葉を投げかけられたら、何の疑いもなく「私は内気だ」と自分の言葉として記憶していきます。
本当は誰かから貼り付けられたレッテルであるのに、自分の考えだと思い込み、そう思って生きてきたのではないでしょうか。
「私は内気だ」と思い込んでいるのは、小学校の頃クラス全員の前で教師から「おとなしくて声が小さくて何を言っているのかわからない」と非難されたことがトラウマになっていたりします。
「私はかわいくない」と思い込んでいるのは、子どもの頃「いとこの〇〇ちゃんがかわいい」という言葉がずっと心に残っているからということもあります。
過去の言葉、記憶に縛られたまま大人になっていきます。

でも、今のままでは何か違うような気がするという心の声に従い、自分は変わりたいと意識し始めます。
しかし、自分が変わることは今まで慣れ親しんだ状態から違う状態になることを意味します。
だから、なかなか変わりたいと思っても心の底では変わらないほうが良いと思っています。
変化することが恐いのです。
変わると新しい環境の中に行かなければならない、今までしなくても良いことをやらなければならないというような未知への不安が出てきます。
今まで自分にレッテルを貼って自分を縛っていた言葉通りに生きてきました。
それは窮屈ではあっても、安定していました。
その安定が壊れるのが不安だから、変わりたくないと思う自分がいます。
変わりたいと思っているはずなのに、変われないのは変わることを拒否する自分がいるからです。
こういう人がいます。
「私は引っ込み思案である」という人はパーティのお誘いがあった時、積極的に行きたいとは思いません。
仕方なく参加しなければならない場合、周りの人は談笑して楽しく会話しているのを見たりします。
自分も同じように周りの人たちと打ち解けて話をしなければと思います。
でも、自分にはできないと思います。
なぜできないのか。
それは「私は引っ込み思案だ」と自分のレッテル通り振舞うからです。
自分は自分のイメージどおり、言葉通りに行動しているわけです。
「私は引っ込み思案だ」という自分のイメージを強化していることになります。
そういう人は、失敗することを恐れて挑戦しません。
自分を萎縮させるネガティブなレッテルをそのまま貼り続けたいでしょうか。

新しい魅力的なレッテルに変える
ここで変化したいと思うならば、レッテルを選択し直すことです。
今の自分は、自分が行った過去の選択の積み重ねによって出来上がったものです。
他人から貼られたレッテルをそのまま貼り続けるのか、それとも自分に力を与えてくれるようなポジティブな新しい魅力的なレッテルを選ぶのかです。
心地よい、あるいは穏やかになれる、または勇気が持てる等…
自分をポジティブにしてくれる様々なレッテルを考えてみてはどうでしょうか。
自分の中に新しい情報を入れましょう。
自分自身に他のラベルを貼るとしたらどんな言葉が考えられるかと多角的に考えてみます。
新しいレッテルを複数貼ってみます。
「私は自信がない」というレッテルを「私は自信がある」というレッテルに張り替えたとします。
言葉に出して言ってみます。
そうすると否定的な思いが出てくるかもしれません。
「新しいレッテルを貼ったって、私は自信が持てない」と言うかもしれません。
心が抵抗するかもしれません。
そういう場合、自分の行動を細かく見ていきます。
そうすると好きなものや得意なものがあることに気がつきます。誰でも好きなもの、得意なものがあります。
その中の一つにエネルギーを注いでみます。
「お料理が好き」ということが出てきました。
お弁当作りも苦にすることもなく楽しんで毎日家族のために作ってきたという経験があります。
お料理が好きなので、美味しいものを食べに行ったり作り方を学んだりしたことを思い出します。
お料理の分野では積極的に行動し研究し作ってきた事に気がつきます。
そこには知らないことを知りたいという思いから行動的な自分がいます。
自信がある自分がいます。
一つの分野たとえばお料理から、次元を上げて自分の姿を捉えてみます。
そして、レッテルを考えて自分に取り入れたらどうでしょうか。
「私は行動的な人間だ」「私は積極的な人間だ」「私は研究熱心である」「私は周りの人に喜んでもらうのが好きだ」「私は創造的だ」…
最後に
自分に貼られているレッテルに気づいていない人もいるでしょう。
心と行動を縛るネガティブな思い込みに気づいたら、それを新しいポジティブな思いに変えてみてはどうでしょうか。
そうすると新しい情報が入ってきます。捕われた枠から解放されて、成長できます。
必ず自分に力を与えてくれる魅力的な有意義な言葉が見つかります。
着ぐるみを脱ぐかのように古い捕われたレッテルを捨て、新しい魅力的なレッテルを自分に与えてはどうでしょうか。
勇気を持って。
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