ストレス対策:悪口への対処法~ブッダに学ぶ悪口を受け取らない姿勢

悪口に傷つく=被害者意識

ある日、職場で悪口を言われているのを知り、ショックを受けることがありました。

悪いことをした覚えはないのに…、と悪口をいわれる理由がわかりません。

そして、悪口を言った相手がわかり、「あの人からあんなひどいことを言われた?!」と怒り苦しみます。

悪口がおさまることはなく、ネガティブな気持ちはずっと続き、「私はこんなに傷つけられたのだから絶対に許さない。」と恨む気持ちが出てきます。

さらに四六時中、悪口を言っている相手のことを考えてしまい、頭の中は悪口を言った相手のことでいっぱいになります。

なぜ悪口を言うのか考えると、もともと相性が合わないとか、私のことが嫌いなんだと思い始めます。

なぜ、私たちは他人からの批判や悪口に傷つくのでしょうか。

「それは、嫌なことを言われたら傷つくのは当たり前でしょう!」と言われそうですが、言われた側の心理を考えてみます。

他人から傷つけられたという感情を持つことは、被害者意識を持つということになります。

被害者意識というのは、起こった出来事や結果は自分の責任ではないし、自分自身どうしようもないという意識です。

「悪口を言う相手が加害者で私は被害者よ。」という気持ちが強くあります。

しかし、悪口を言われて悩んでいる自分が被害者意識を持ったままだと、自分の力ではどうにも出来ないと思ってしまい、他人がどうにかしてくれるのを待つしかありません。

被害者意識を持っていてはネガティブな感情から抜け出せず、受け身の状態でいるしかありません。

そこで、主体的な意識が必要になってきます。

イヤな出来事の意味をどう解釈するか、どう気持ちを立て直して行くか、相手との関わり方をどうするかなど、自分で切り替えて行くしかありません。

悪口を受け取らなかったブッダの逸話

なぜ、他人が言った悪口に傷つくのかというと、相手の言った言葉をそのとおりだと受け入れたからなのです。

私が相手の言葉を受け入れなかったら、相手からの非難や悪口は何の効果もありません。

ブッダの逸話があります。

ブッダが人々から尊敬されるので、それをねたむ男がいました。

ある時その男が道端で、歩いてくるブッダに罵詈雑言を浴びせました。

男が文句や悪口を言い終わった頃、ブッダは男に「贈り物をした相手が受け取らなかったら、その贈り物は誰のものだろうか?」と問いました。

男は「相手が受け取らなかったら贈ろうとした者の物だ。」と答えました。

男はハッと、気がつきました。

ブッダは「私はあなたの言葉をひとつも受け取らなかった。だからあなたの言ったことは全てあなたが受け取ることになる。」と言われました。

ブッダは罵詈雑言を浴びせる男の考えに賛同することはなく、そのひどい言葉を受け取りませんでした。

他人からの悪口は、受け取らなかったらその悪口は私のものではなく、言った相手のものです。

他人の言葉を受け入れるということはその人の意見に賛同したということであり、受け入れなければその意見に同意しないということです。

他人があなたの悪口を言ったならば、その言葉をあなたは全部受け入れる必要はないのです。

他人の悪口に対して、そうかもしれないと同意する気持ちがあるから苦しむことになります。

私は悪口に値する人間ではないと思っていれば、相手の言葉に動揺することはありません。

また、多くの人は、他人の意見は聞かなければいけないという価値観を持っています。

他人の意見を聞かなければいけないという価値観が例え悪口であっても、聞かなければいけないと思い込むのかもしれません。

しかし、あなたはあなたの意見があり、他人の意見をすべて受け入れる必要はありませんし、意見を取捨選択することができることを思い出してください。

また悪口に苦しむのは、嫌な人とも仲良くするべきだという教えが頭の中にあるからかもしれません。

たとえイヤな相手でも仲良くしなければならないという価値観が、そうできないあなたを苦しめるのでしょう。

悪口を言う相手の対処法

悪口を受け取らない姿勢

他人から悪口を言われている自分を考えるとき、自分の軸をハッキリさせるということが大事です。

他人の意見を受け取らないことは、悪いことではありません。

例えば「傲慢である」「生意気」とか言われたら、自分の心に響かなければ聞かなくてもいいわけです。

しかし、何かしら引っかかるものがあるとしたら、自分もそう思っているところがあるということになります。

心の中に相手が批判する言葉や悪口に同意するものがあるから、傷つき苦しむのです。

「私は、相手が批判するような人間ではない。」と思っていたら、傷つきません。

他人の意見を聞かないのは、傲慢な人間なのでは?と自分を責めなくても良いです。

あなたに向けられる批判や悪口を受け取らなかったら、それはあなたのものではありません。

傷ついたというのは物事に対して傷ついているのではなく、あなたが相手の悪口を受け入れたからなのです。

そして、自分が自分を傷つけている状態になっています。

心が相手の言葉を受け入れると、その言葉にエネルギーを与えてしまいます。

そして、自分を苦しめます。

「私はそういう人間ではない」と思っていれば、批判や悪口は何の力も持ちません。

相手と距離を取る

悪口を言う人は、あなたの親友でしょうか?

友達であれば、回りにあなたのひどいうわさ話を流さないでしょう。

気になることとかあれば、直接アドバイスしてくれるのが友人ではないでしょうか。

悪口を言う人は、コンプレックスのある人です。

劣等感を持っている人とは距離を取ることが良いようです。

物理的になるべく、職場以外での交流は避けることが賢明です。

そして、悪口を言う相手と同じ土俵に立たないことです。

相手の悪口をこちらが言いふらしては、同類の人間になってしまいます。

うわさ話を信じる人たちに弁解したい気持ちもあるでしょうが、そうすれば悪口を言う相手がさらに悪口を言うようになるかもしれません。

そして、悪口を言う人を何とかしたいという気持ちを持たないことです。

悪口を言うのは相手の問題ですし、相手を変えることはできません。

変えることのできないことにエネルギーを使うことはおススメしませんし、ただ、距離を取ることをおススメします。

ひたすら目の前の仕事に念を入れてやり、誠実さや責任を持つ姿勢を行動で示して行くしかありません。

時間がかかるかもしれませんが、あなたが悪口やうわさ話の通りの人ではないということが、周りの人もわかっていくものです。

お読み頂きありがとうございました。

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