職場の人間関係の悩みから解放:他人は変えられない~「私が正しい」を手放す

職場の人間関係の悩み

職場でよくある光景、例えば、先輩から「そんなやり方ではダメだ。」と怒られたとき、私は一生懸命やっているし間違っていないと思っています。

「言われたことはやっているし、そんなに責めなくてもいいのに。」と思います。

先輩は先輩で「こうなるように!」と結果だけ伝えて、やり方を具体的に示さない場合もあります。

「私は悪くない、先輩が悪い。」とこちらは思っていますが、先輩は同様に「自分は正しいし、できない後輩が悪い。」と思っています。

ものごとを正しいか間違っているかで判断すると、「自分が正しい」というそれぞれの主張の対立となり、感情的になってしまいます。

個人の感情的な対立が表面化し、本来の仕事の達成が置き去りにされたりします。

対立している関係では、「私が正しい」と思うと「相手が悪い」ということになります。

同様に、相手も「自分は間違っていない」と思っていたら、和解できなくなります。

人間関係がこじれて行くことになりなり、感情的なしこりだけが残ります。

私たちはみな、「自分が正しい」と思っています。

正しい、正しくないという判断基準だと、自分も相手も「自分が正しい」思っていますから、対立しか生み出しません。

相手に対して、相手が悪いから自分の正しさを証明しようとするか、または「私を責めないで」という態度になってしまいます。

正しいか間違っているかという黒白をつける考え方を持っていると、相手に対して抵抗がますます強くなっていきます。

まずは、人間関係の対立をなくすには、相手への抵抗をなくしていくことが必要です。

自分の中の抵抗を手放すということです。

抵抗というのは、「相手の考えを受け入れたくない」という感情です。

抵抗を手放すには、「正しい」「間違い」という判断基準を脇に置くことではないでしょうか。

「私が正しい」に捉われていると、相手への抵抗にエネルギーを使い果たしていきます。

そして、本来の仕事へ使えるエネルギーがどんどん減っていきます。

力関係で言えば上司や先輩は強いのですから、悪いのは後輩である私であると一般的に思われます。

しかし、私は納得できないし一生懸命やっているという思いが、先輩や上司に対する抵抗を強めていきます。

「私は正しい」という考えを手放すということは、「相手が正しいと思いなさい」ということではありません。

「相手が正しい」とは思っていないのに、そう思おうとしたら、自分の中では強者と弱者の対立という形になってしまいます。

「私自身は正しい、悪いのは周りの強い人たち」という考えに陥ってしまいます。

「私は正しいのに、理解してくれない。」と考えたら被害者意識を持ってしまいます。

被害者意識を持つと自分は弱い立場で、回りが横暴であるからどうしようもないと考えてしまいます。

投げやりな気持ちになり、「弱さ」で自分の責任を回避しようとする思惑に捉われるかもしれません。

そうすると、相手の下に入ってしまったら責任を取らずにすむし、言われたことだけをこなせばいいという消極的な態度になってしまうでしょう。

職場では、先輩や上司の指示に従って仕事をしなければならないのですが、先輩や上司も常に適切な指導ができるとは限りません。

どちらにせよ相手に抵抗している限り、心の中のモヤモヤやイライラは続いてしまいます。

他人は変えられない

では、どうすればいいのでしょうか?

まず、大前提は「他人は変えられない」ということです。

でも、自分は変えられます。

自分は変えられるということは、イヤだと思っているけど相手に合わせなさいということではないのです。

あなた個人は、自分が気分のよくなる思考を選ぶことができるし、そうしようと思ったら違う考え方をすることができるのです。

それは「私が正しい」という考えに強く執着しないことも含まれます。

「私が正しい」と思っていますし、相手も「自分が正しい」と思っているのですから、「正義」と「正義」の対立になってしまいます。

相手を受け入れたくないという気持ちになり、ネガティブな感情が起こり、陰鬱な状態が続きます。

自分の価値観で、白黒をつけるという考えをゆるめてみてはどうでしょうか。

人間は自分が正しいと思っているわけですから、それをやめなさいと言われると抵抗が生まれるかもしれません。

しかし、

「私の思い込んでいることは絶対的なことではないかもしれない」

「別な考え方をする人もいるようだ」

「私がこだわっている考えは思い込みかもしれない」

「私の考え通りにならなくても結果はそう違わないようにも思える」

「今の嫌な人間関係は、将来私にとって何かプラスになる前提の経験なのかもしれない」…

と考えることができたら、少し気持ちが変わってくるのではないでしょうか。

先輩や上司、自分、クライアント、他の人たち、それぞれの立場の違う人たちを見渡し、その人その人の立場になって考えてみるのもいいかもしれません。

そうすると、私の立場以外の人たちにも意見があり、感情があることに気づきます。

私が「正しい」「間違っている」と判断することは、一つの価値観(私の立場)に立った見方です。

同じく相手は自分とは違った視点に立って、そのものを判断しているから意見が異なるわけです。

ものごとをジャッジすることをやめてみる、もしくはそのジャッシをゆるめてみてはどうでしょうか。

「相手が正しい」ということを受け入れなさいというのではありません。

「相手を受け入れたくない」という抵抗をやめてみるということです。

「正しい」「間違っている」という分け隔てるという思考を手放してみると、固執していた考えから離れて、見えなかったものが見え、出口がはっきりする感覚が持てることがあります。

相手が言ってることをすこし理解できたり、そう感情的にならなくてもいいように思えたりします。

「受け入れたくない」という抵抗をやめて、いったんその抵抗を脇に置くと、抵抗している時は見えないものが見えたりします。

「私が正しい」という考えに固執することなく、いったん「私」から離れて、受け入れたくないものに対する抵抗をやめてみるのです。

抵抗を手放すには、抵抗している思考から離れるということであり、そうするには視点を別なものに移すということです。

イヤなことを考え続けないで、別なことをして気分を少しでもよい方向に向けようとすることです。

ぐるぐる同じ思考をしていても、負のスパイラルに陥ったようで気分が滅入るだけですから。

外に出る、ジョギングするまたは車を運転する、瞑想するなど思考をいったん止めるということがよいでしょう。

思考の抵抗をなくすと、抵抗に使っていたエネルギーを別なもの、建設的なものに使えます。

ものごとを正しい間違っているという捉え方ではなく違う視点で見ると、ものごとはいろんな面を見せてくれることに気づくでしょう。

「私が正しい」という考え方に執着せず、私と同じように相手も主張したいことがあるのだと思えると、聞く耳を持つという姿勢に変えられるかもしれません。

「絶対こうでなくては嫌だ」ではなく、「まぁ、これぐらいでいいか」「こんな考え方もあるのか」…と思えたら、今までの価値観がゆるまっていくでしょう。

ゆるい価値観でOKまたはこだわりを手放してみたら、ガチガチになっていた心がほどけていくのではないでしょうか。

お読み頂きありがとうございました。

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