兄弟姉妹(きょうだい)間の親の愛情格差~長女の悩みと理想の母親像

長女の悩み

兄弟姉妹、それぞれ生まれた順番で自分は損したと思ったことはないでしょうか。

長子は下の兄弟姉妹から「新品の服を買ってもらえていいな」とうらやましがられたり、末っ子は上の子たちから「親に甘えさせてもらえてうらやましい」と思われたりと、それぞれ言い分があるようです。

しかし、一般的に長女に生まれた人には独特の悩みがあるように見えます。

幼い頃、下に弟や妹が生まれたら急に両親の関心が下の子に行ってしまうのを感じます。

大人になってからも両親の愛が移っていった感覚を何となく覚えているように思います。

弟や妹がいると親からは「姉だから弟や妹の面倒を見なさい」と姉としての役目を言いつけられます。

そして、わがままを言わず、しっかりするようにと言われます。

赤ちゃんのように甘えてはいけないと言われ、自分も甘えてはいけないのだと自覚するようになります。

弟や妹の面倒をみたり親の手伝いして、長女としての立場をしっかり果たさなくてはなりません。

大人になってからもそんな習慣が続くように思います。

親は子供が大人になってからも幼い子供の頃のように、姉に接する態度と弟妹に接する態度が変わらないように見えます。

長子にはがまんをさせ、下の子たちには自由にさせるというように、長女には思えます。

両親は自分よりも弟妹の方がかわいいんだという思いが心の中にいつもありました。

長女は親の期待に沿うように努力します。

ですから、弱音を吐くことができません。

常にしっかりして長女の役割を果たさなければならないと思っています。

でも、子供ですから親に甘えたいときもあります。

しかし、長女は甘えることや泣くことを自分自身に禁じていたりします。

ですから、なおさら苦しいのです。

いつも緊張して一人がんばらなければならないと思い込み、人に弱みを見せられません。

素直に自分の気持ちを他者に話すことができません。

そういう状態の自分は心折れそうで親の愛情が欲しいのですが、素直に言えません。

弱音を吐いてはいけないと自分に厳しいのです。

なので素直に親に甘えられる弟や妹に嫉妬します。

親は子供は皆同じようにかわいいといいますが、子供の目にはそう映りません。

弟妹に嫉妬している姿を親から見られると、そう思ってはいけないと注意されます。

そう言われると親に対して反発します。

わかってもらえない絶望感がさらに大きくなります。

愛情を求めているのに憎しみを覚えるということになります。

親は子供を立場にあった人間に育てなくてはいけないと思っているのではないでしょうか。

長男は長男らしく、長女は長女らしくあれと。

人を立場に合うように育てるのは違うような気がします。

型にはめるようなやり方ではなく、もっと子供を観察しその子をいいところを伸ばすような教育ができたら理想的でしょう‥。

しかし、一般的になかなか理想通りにはいきません。

親も人間ですから、本音としては自分の子供であっても好き嫌いがでてくるのは仕方のないことかもしれません。

その好き嫌いがあるということを子供は理解できません。

すくなくとも子供のうちは理解できないし、どうして私に愛をもっと与えてくれないの?と悩み、恨み、失望します。

理想の母親像~「お母さんのてのひら」(壺井栄 作)

弟や妹よりも愛されていないのではないかと思う長女は、どこの家族も愛情格差があると思っていました。

しかし、兄弟平等に接する母親がいるのだと知りました。

昔のお話で、小学校2,3年生だったか、国語の授業で「お母さんの手のひら」を習いました。

うろ覚えのあらすじですが。

農作業のためにお母さんは兄弟と畑に出かけました。兄弟もお母さんを手伝います。

おやつの時間になりました。

お母さんが袋に入れて持ってきた炒り豆を取り出し、兄弟に「おやつにしよう」と声を掛けます。

お母さんは袋に手を入れ豆をひとつかみ取りました。

そしてそれを兄に与えます。

それから同じように袋に手を入れひとつかみして、弟に与えます。

兄弟はお互い、豆が相手の方が多いと言い合いを始めます。

だったら、それぞれの豆を数えようということになり、数を数え始めます。

豆の数はどちらもぴったり同じ数でした。

お母さんは兄弟を分け隔てはしていない、兄弟を等しく愛しているのだというお話でした。

子供心にこのお話はショックでした。

私の現実はこのお話とは違うと思ったからでした。

両親や兄弟姉妹は同じ家庭にいますが、それぞれに距離感があり関係も微妙な違いがあるように思われます。

そんな子供時代を過ごした人は、親になって子供にこうあって欲しいと願い、そうなるよう育てようとします。

ある意味自分の親を反面教師にしたところがありました。

こうあらねばならないという形にはめようとするより、やはり親は子供の心を見てその子の心の声を聞かなければならないように思います。

そして、愛情を子供に平等に注いでください。

お読み頂きありがとうございました。

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