自信と自己肯定感との関係
「自信がない」という声は、よく聞くような気がします。
「自信がある」と言う人が少ないように感じます。
自信がある人は、何があっても大丈夫というような明るく前向きなイメージがあります。
反対にない人は、どことなく不安で頼りなさそうな感じがあります。
自信を持つにはどうしたらよいのでしょう。
自信には、自己肯定感が関係しています。
自己肯定感は、自分を肯定して自分は価値がある人間だと自覚している状態です。
他人から賞賛されることはうれしいことですが、自己肯定感は他人からの評価で決まるものではありません。
自己評価はあくまでも自分が自分を評価していることですから、他人の評価が自己評価を決めるものではありません。
周りの人からは優秀で性格もいいと言われているのに、自信がなく自己肯定感が低い人がいます。
反対に他人の評価は芳しくないのに、自信満々の人もいます。
他人の評価は他人が自分をどう見ているの評価ですから、自己肯定感に全く影響がないとはいえません。
いい評価を得れば自信に繋がるでしょうし、反対の場合もあります。
自分に対する他者の評価は人によって様々です。
例えば、Aさんに100点と評価されたのにBさんからは40点しか点数をもらえなかったりします。
万人に評価されるということはむずかしいようです。
100人いたら100人の人が自分を評価してくれるということはないでしょう。
他人の評価を常に気にしているということは、他人軸で生きていることになります。
人間は、他人が自分をどう見ているかだけを基準にして生きているのではないでしょう。
自信があるとか、自分を愛しているという感覚は、人から与えられて生まれるものではないのです。
他人に自分のことを考えてもらうということはできないわけです。
他人から自信をつけさせてもらうことはできないのです。
自分を愛するのも、自分自身の主体的な態度によるものです。
周りの人が自分のことを愛していても、自分を愛していない人はいます。
他人の評価と自己肯定感
自尊心も同じく他人からの評価で育つものではないのです。
他人からの賞賛を受けても、自分はたいした人間ではない、いずれ化けの皮がはがれてしまうと恐れる人がいます。
自己肯定感は競争したり、比較したりして手に入るものではないといわれます。
私たちは昇進したら、給料がもっと高くなったら、結婚したらと、これができたら自信が付くだろうと考えます。
行動した結果が良かったら、自分を好きになって自信を持てるだろうと思います。
私たちは何かができたら、何かが手に入ったら、0点だったものが100点になると考えます。
これは、何か条件が整ったらよくなるという条件付きの考え方です。
いつも私たちは、今は何かが足りないと思い込んでいるのではないでしょうか。
いつも足りない状態だから、足りないものを埋めないといけない飢餓感があります。
ひとつ手に入ったら、また足りないものが見つかります。
ですからいつまでも足りない状態は解消されません。
私たちは子どもの頃から「何かが足りない」という思いにずっと捉われてきたのではないでしょうか。
小学校の算数のテストが100点だったのに、親は「すごいね。がんばったね。」とほめてはくれず、「国語はまだまだね。国語も頑張らないとね。」と足りない点を指摘します。
100点とってうれしいというよりも、もっと頑張って完璧にしないといけないというプレッシャーを感じます。
100点取った時点で、すばらしいのに、OKなのに…。
いつも足りないものがあると思い込んできたといえるのではないでしょうか。
自分を受け容れる
自己肯定感は行動に影響を与えます。
行動は、自分が誰であり、どんな人間だと思っているかということを表わしています。
自己肯定感が低いと「自分は価値のない人間だ」という思い込みが強くなります。
自己肯定感が低いままだと、自分の夢や目標を実現することが困難になってきます。
行動力をあげて目標を達成するには、自己評価を高め、自分をもっと愛し、信頼することが必要です。
自己肯定感を高めることは重要なことなのです。
自己否定をしているとしたら、自分自身を肯定することからはじめなければなりません。
生きているだけで自分に価値があるということを認めなければなりません。
自分が存在していることの認識が出発点だからです。
自己嫌悪している人がいます。
そういう人でも、自分の中に自分を肯定したいと思っている部分があります。
自分を嫌いだと声高に言っている反面、自分が好きだと言う自分がいます。
自己嫌悪している人は苦しむのですが、それは自分を好きだと思う自分自身がいるからではないでしょうか。
何をやってもダメだ、気の弱い自分は嫌、消えてなくなりたいと思うことがあります。
ものごとには裏と表、陰と陽、マイナスとプラスのように両極面があります。
自分の全部が嫌ならば自己嫌悪一色ならば、悩みはしないでしょう。
自己嫌悪の自分を受け入れているのなら、苦しまないでしょう。
自分の中には自己嫌悪の自分もいれば、自分を好きだという自分もいるから苦しむのではないでしょうか。
自己肯定をしないと分裂したままでは前に進めません。
自己肯定するということは自分は優秀だから認めるというものではなく、いいところも悪いところもあるありのままの自分をそのまま受け容れるということです。
自分を好きだと認めることは自分の存在を認めるということであり、自分が生きていることを認めるということです。
あなたが認めないといっても「あなたはそこに存在している」、それは事実なのです。
自分が好き・嫌いのワーク
紙とペンを用意して次の文章を完成させてみてください。
直感的に浮かんできた言葉を6~10入れてみてください。
「自分が嫌いになるのは ‥‥‥ のときです」
「もし、心の中で自分が好きかを認めるとしたら、‥‥‥ です」
「自分が嫌いだというふりをすると、よいことは ‥‥‥ です」
今のあなたは完璧
人間は自分の感情に従ってやりたいことをやっているとき、自己肯定感が高まります。
自分は自分の感情や信念を大切にして、それに基づいて行動しようとしているか?
そうできているとしたら、自分自身を尊重できるということです。
自分の成長は自分で評価できます。
昨日より今日、過去の自分と今の自分を比較しなら行動すれば、自分の中に一貫性ができます。
他人の評価に振り回されることは少なくなるでしょう。
常に前進できるとは限りません。
後退することもあるでしょう。
そういう時も、自己肯定感が高ければうまくいかない自分を受け入れて、行動し続けることができるのです。
「あなたの存在自体が完璧なのです。」
こう言われて、どんな感じがしますか?
否定しますか?
現在のあなたは生長の最先端にいます。
過去のあなたよりも「今のあなたが完璧」なのです。
自分を嫌っていても、自分が存在することを否定することはできません。
素直に自分を認めて、あなた自身を肯定するということです。
「完璧なあなた」はなりたいものになり、行きたいところに行き、どんどん成長または拡張していけるのです。
お読み頂きありがとうございました。