自己否定は習慣?
「私には実現したい夢がある」と思っている人が、同時に「私はそんな能力はない」と思っているとしたら、夢は実現しません。
自分の能力を否定したり自分には価値がないと思い込んでいたら、願望は叶わないでしょう。
アクセル踏みながらブレーキを踏んでいるようなものです。
自分の能力を信じられなくて、自分に疑いを持っているからそうなるのかもしれません。
そして、自己否定することがクセになっているのではないでしょうか。
自己否定はいつから始まったのでしょうか?
きっかけになった出来事があるかもしれません。
多くの方は、そういう出来事が思い出されることはないけど、気づいたら自己否定している自分になっていたということではないでしょうか。
「なぜ私は自信がないの?」と自問してみても、たくさんの出来事の積み重ねでこれだと特定できないのではないでしょうか。
それだけ多く幼い頃から持ち続けている否定感情が積み重なって、今に至ったということなのかもしれません。
子供の頃に出来上がった自己評価
「三つ子の魂百まで」というように、幼い頃に身につけた価値観はなかなか大人になってからも変わりません。
子供は親の価値観を受け継ぎます。
親の言葉やしぐさ、態度を見て育ちます。そして、自分のものにします。
子供は純粋、無垢な存在です。
ですから、全て吸収してしまいます。
親の言葉をそのまま受け取ります。
子供は親から愛されたいと思っているから親から言われたことはそのまま受け入れます。
大きくなって学校に通い始めたら、教師の価値観を受け入れていきます。
例えば、学校で教師が「〇〇さんの字がクラスで一番きれい。」と言ったら、それをそのまま疑うことなく子供たちは受け入れます。
多くの子供は「自分は〇〇さんより字がきたない。」と思い込みます。
字のきれいな人の序列が自分の頭の中に出来上がります。
「私はクラスで△番目なんだ。」とそのまま記憶されて、「たくさん練習して〇〇さんより上手になろう。」とは思わないようです。
教師の言葉は絶対なのです。
実際練習したら上手になるかもしれません。
ですが、クラスで一番にはなれないと思い込んでいます。
自分で自分の可能性を否定しています。
子供は、教師の言葉を疑うことなくそのまま受け入れます。
自己否定しているときは、誰かから言われた「私」を否定する言葉をそのままなぞっているだけではないでしょうか。
あなたを否定する言葉は、生まれ持ったあなたのものでしょうか?
他人と比べて劣っていると信じ込んだあなたがいるだけではないでしょうか。
あなたを否定する言葉を受け入れたから、あなたは自分を否定することになったのではないでしょうか。
誰かが放ったあなたを否定する言葉で、あなた自身をジャッジしているのではありませんか。
あなたを否定する言葉を発したのは誰なのでしょうか?
特に子供のうちは、大人の言うことをそのまま受け入れます。
身近な親や権威のある教師の言葉を疑うことなく受け入れます。
子供の自分は、親や教師、周りの大人の価値観と同化した状態になっています。
他人の価値観を受け入れてきたことを大人になっても気付かない場合があります。
自分の基準ではなく「他人の基準」であることに気づかないのではないでしょうか。
自分の言葉は本当に自分のものなのか、もしかしたら他の誰かの言葉なのかもしれないと自問してみることです。
私の考えは自分で作り上げてきたものだと思ってきたけど、本当は身近な人が私に向けた思いや感想ではないかと考えられないでしょうか。
自分の評価は自分でしよう!
他者の言葉や考えをそのまま受け入れるのはなぜでしょうか。
子供の頃の親や教師は絶対的な存在ですから、親や教師に認められたいからという理由があるでしょう。
強い大人たちに従っていたら安心だからということがあります。
認められたい、愛されたいという欲求があります。
大人になった今、自己否定で苦しんでいるとしたら苦しめている価値観を疑ってみるべきです。
親や教師の思いに沿っていきたいという気持ちがあるけど、そうなれない自分を責めているとしたら、自己否定の言葉を手放したらどうですか。
他人の承認や賛同を得なければならないと思い込んでいるとしたら、本当に他人から認められることが自信になるか自問してみてください。
あなたは誰かの許可が必要なのですか?
誰かに許しを求めないといけないのでしょうか?
自分の中の価値観が「他者のルール」だったら「自分のルール」に変える作業をしていきましょう。
少しずつ自分を自由にしてあげることが大切です。
自分の評価は自分ですると決めたら、傲慢だと思いますか?
自分の評価は自分ですると決めたら、自由に生きることができます。
自己否定は停滞
「自信がない」「できない」と思っているときはネガティブな感情に支配されています。
「やるぞ!」「できる!」と思っているときは、力がみなぎり気持ちも晴れ晴れとしてポジティブな感情で満たされています。
自己否定しているときは気持ちが落ち込み動くことができません。
活動できませんし、無理にやっても上手くいきません。
行動しない、あるいはできないと思い込み、動かないことで行動をしなくていいことになります。
行動して変わるより、「変わらない自分」でいることができます。
ただ行動を先送りにすることができます。
私たちの世界には、現状維持はないといわれます。
変化しないものはないし、時間は流れていくものですから、すべてのものは変わっていくものなのです。
動かずにとどまっていることは現状維持ではないのです。
それは劣化だといわれます。
自分だけが変わらずにいることは、逆にリスクになるのです。
自信をつけるために
自己否定しているときは誰かの言葉で自分を裁いているのです。
自分で自分を縛って、行動させなくしています。
そういう場合、自己否定するネガティブな言葉と自分を切り離すことが必要です。
自分が受け入れなかったら、その言葉は何の力も持ちません。
外側の世界の出来事に反応して苦しむのは、心の中に同じ考え方を持つからです。
心の中に外側と同じ考え方がなかったら、外側の世界のことで苦しむことはないのです。
自己否定から抜け出るには、「私は、~と思う」「それは誰かの意見であって、私の意見ではない」「私にとって今、必要なことは~だ」と自分の意見を明らかにすることです。
そして、自分の評価は自分ですると決める勇気が必要です。
自信がないから自己否定をします。
言葉と行動を一致させる
自信をつけるには、自分が言ったことと行動の結果を一致させることです。
自分に宣言して、その後その通りの行動をするのです。
例えば「私は顔を洗う。」と言って、その通り顔を洗う、「私は学校へ行く。」と言って、学校へ行くというように。
ばかげていると思われるかもしれませんが、自分の発言と行動が一致している経験を小さいことから、簡単なことから、積み上げていきます。
自信をつける方法として、何でもいいので、毎日続ける習慣を作ることです。
朝、ラジオ体操を毎日するとか、人に会ったら笑顔で挨拶するとか…。
小さいことでいいので、習慣にしたい行動を始めてみることです。
思い出してください。
幼い頃からすべてダメだったということはないはずです。
成功体験があることを思い出してください。
あなたには、たくさんいろんなことをやってきたことに気づくでしょう。
お読み頂きありがとうございました。