職場に嫌な人がいます。
いやみなことを言われたりきつく当たられると、気持ちがモヤモヤ、イライラします。
しかし、面と向かって何か言うとトラブルになりそうなので、はっきりと相手に抗議できません。
嫌な人とも一緒に仕事をしなければならないので、ストレスが溜まることが多いです。
そんな時に人間関係のストレスを和らげるNLPのワークがあります。
嫌な人や苦手な人を好きにならなくてもよいので、その人に対する見方を変えることで相手への気持ちの変化が期待できます。
思い込みをゆるめ、視野を広げるワークです。
ポジション・チェンジ
NLPでは、状況を捉える「知覚位置」があると考えます。
知覚位置とは、人が状況や関係を知覚する特定の観点や視点のことです。
このワークでは図のように、第1ポジション、第2ポジション、第3ポジションの3つの「知覚位置」を定めます。
第1ポジションは自分、第2ポジションは相手、第3ポジションは客観的な第三者になります。
第3ポジションはニュートラルなポジションと考えます。
どちらかに偏ることなく客観的に当事者同士を見る立場です。
自分と相手、それに第三者の立場の人を入れて、それぞれのポジションでの感じ方や捉え方をワークすることによってそれぞれのポジションを体験します。
それぞれのポジションに立つとそのポジションの人独自の立場や考えがありますので、一つの状況であっても、その状況の認識がその人のポジションによって異なります。
苦手な相手に対して持つ自分の感情と、相手が自分に対して持っているであろう感情や思いをそれぞれのポジションに立って、その立場に立った人間としてどう思いどう感じるかと想像してみます。
ポジション・チェンジのやり方
イスがあったら2つ、向かい合わせに置いてください。
仮にあなた(自分)をAさん、相手をBさんとします。
1.第1ポジション(自分)に入り、相手に対峙します。
中立の立場にいる第3ポジション(ガイド)にいる第3者が、第1ポジションにいる(自分)に向かって「あなたの前にいる人は誰ですか」と尋ねます。
(自分):「Bさんです」と苦手な人の名前を言います。
(ガイド):「その人といると、どんな気分ですか」と体験を聞きます。
(自分):「嫌な気分です」「重たい感じがします」などと思っていることを言ってください。
(ガイド):「あなたの前にいる人に、伝えたいことを今伝えます」
(自分):「Bさん、~~~」実際目の前に相手がいると思って、言葉にして思いを伝えます。
2.次に着ぐるみを脱ぐようにして、あなたの気持ち(感情)と身体をその場に置いて、今いた第1ポジション(自分)から離れ、第3ポジションに出て行きます。
ここでブレークステートします。4、5回ジャンプし深呼吸して、気持ちをリセットします。
3.第3ポジションに移動したあなたの目の前には、第1ポジションにいる「自分」と第2ポジションにいる「相手」が向き合っています。
(ガイド)から
「右の方は誰ですか」
「左の方は誰ですか」
と質問されるので、あなた(自分)は第三者として、それぞれ2人の名前を「Aさん」「Bさん」とさん付けでガイドに伝えます。
4.今度あなたは第2ポジションの「相手」の位置に立って、相手の中に入ります。
着ぐるみを着るような感覚で、相手になったつもりで座ります。
ガイド:「では、ご自身のペースでゆっくりとBさんの中に入ってください」
あなたはBさんのポジションにいるので、Bさんになったつもりで答えます。
ガイド:「Bさん、Aさんに何か伝えたいことがあったら、今伝えてください」
「(Bさんになりきって)Aさん、~~~」と相手になりきって、あなたであるAさんに向かって話し始めます。
ガイド:「気持ち(感情)と身体をそこに置いて、第3ポジションに出てきてください」と声をかけますので、Bさんになりきったあなたは第3ポジションに行きます。
その前に、ブレークステートをします。
ジャンプして、深呼吸しましょう。
ガイド:あなたに左右の人の名前を確認しますので、それぞれをさん付けで答えます。
5.それから、あなたは始めにいた第1ポジションに移動します。
ガイド:「セッションを開始する前と比べて、どんな違いがありますか」と質問されたとして、体験したことを話してみてください。
6.それからあなたは、もう一度第3ポジションに出ます。
第3ポジションの第三者として目の前の2人の関係がどのように見えるか答えます。
ガイド:「Aさん、もう一度第3ポジションに出て、目の前の2人の関係がどのように見えますか?また、どんな可能性があるかを説明してください」
あなたは、2人つまりあなたと相手の関係性や可能性を説明します。
体験してみると、やる前の気持ちとは違っているのに気づくと思います。
相手に言いたいことを言えたことがよかったのかもしれません。
また、相手のポジションに立って相手になりきって、(自分)に対する意見を言うと、相手はこんな風に考えていたのかと気づくかもしれません。
第1、第2、第3とそれぞれ三者の立ち位置でものごとを見ると、それぞれの立場での思いが違うことに気づくでしょう。
「自分」のポジションにいるときは見えなかったものや感じることができないことが、「相手」や「ニュートラルポジション」では体験できるかもしれません。
最後に
人間は他人を、相手を変えることはできません。
しかし、自分を変えることはできます。
ポジション・チェンジのワークをやる前とやった後では、感覚が違うのに気づくでしょう。
相手への思いや考え方が変化しているからかもしれません。
決めつけや思い込みがゆるんだといってもいいでしょう。
思い込みをゆるめると、以前より自由になった感覚が出てきたのではないでしょうか。
三者三様の捉え方や考えがあることを受け入れられるあなたに変わっており、視野が広くなり、感覚や感情に変化を感じることができるでしょう。
お読み頂きありがとうございました。