意識は質問で変わる
私たちは、その時、意識の中にあるものに注意が向きます。
常に考えているものに、焦点を当てます。
仕事、人間関係、家族のことなど生活の中で多くを占めるものが常に意識されます。
人間は質問されると、その質問で意識が向くようになります。
「あなたの好きなものや興味のあるものは何ですか?」と質問されて、ブランド物が好きで持っていると答えたとしたら。
普段の生活の中で、好きなブランドに目が行くでしょうし、街中でブランドのバッグを持っている人に興味を持ちます。
反対に、ブランド品に全然興味がない人は、街でブランドのバッグを持っている人がいたとしても気づかないでしょう。
人はそれぞれ考え方も違いますし、関心のあるものも当然ですが、違います。
人間は、五感(視覚、聴覚、身体感覚、味覚、臭覚)を通して外側の世界を認識しています。
外界の情報は、自分が意識して、焦点を当てたものしか入ってきません。
私たちの外側の世界の情報は、膨大なものです。
先ほど言ったように、好みのものだったら目に飛び込んできたり、まったく関心のないものには、アンテナが働かないということが起こります。
それは、なぜでしょうか?
私たちの脳は、フル回転させて働かせると大量のエネルギーが必要となり、飢餓状態になるそうです。
ですから、脳は、一度に見たり聞いたりした大量の情報を受け取り、処理し保存しておくことをしません。
自ずと、脳は外界の情報を少数のことに集中し、受け取ることになります。
脳が一度に記憶する個数は、7個前後といわれています。
ですから、焦点を当てたものしか見聞きできない状態になります。
また、脳はある特定のことに焦点を当てたら、他のことを同時に考えることはできません。
例えば、「今日起こった楽しいことと、嫌なことを同時に考えてください。」と言われても、同時に考えることはできないのです。
人間は、焦点を当てたことに意識を向けます。
なので、私たちの脳は焦点が当たっているものしか気づけないのです。
自分が見たいものや聞きたいものしか見えないし、聞こえないともいえます。
「今日はどんないいことがあるだろうか?」と問えば、脳は一日の中で「いいこと」を探します。
反対に「嫌なことがあるだろうか?」と心配すれば、「嫌なこと」をあなたに与えます。
脳は意識を向けたものに、焦点をあわせます。
焦点を当てると焦点を当てたものを意識し、考えるようになります。
なので、意識を変えるには、焦点を変えることです。
脳の焦点を変えるには、自分に向けた質問を変えることです。
先ほど言ったように「今日はどんなすばらしいことがあるのだろう?」と自分に問いかけると、すばらしいことを脳は探します。
反対に、「今日は嫌なことがあるかもしれないな」と思ったら、嫌なことを探します。
自分に問いかける質問によって、焦点が違ってきますし、焦点を当てたものを脳は探します。
あなたがハッピーな一日を過ごしたいなら、朝「今日はどんないいことがあるだろうか?」とあなた自身に質問することです。
感謝できることに意識を向けるとポジティブな気分になります。
一つ感謝することを見つけたら、次の感謝することを見つけることになります。
「感謝する」という意識になると感謝することに出会い、次にまた感謝する出来事が起こるといいます。

焦点を変える質問をする
見たいものや聞きたいものは価値観、観念からくるものであり、過去の記憶が大きく影響しています。
人間の感情は大きく分けて、恐れの感情と愛の感情があります。
私たちの意識の中にはうれしいとか楽しいというポジティブな感覚をもたらすもの(記憶)と、不安感・劣等感などネガティブな感覚をもたらすもの(記憶)があります。
普段、ネガティブな観念に縛られていることが多いのなら、ネガティブな感情をもたらす記憶に焦点を当てていることになります。
「どうして、自分は失敗ばかりするのだろう?」と自分に問いかけていたら、ネガティブな答えが出てきて、ネガティブな感情を感じるでしょう。
一方、「今、自分が恵まれていることは、何だろう?」と問いかければ、恵まれた感謝できることを思い浮かべることができます。
いつも否定的な考えになってしまうという人がいたら、ネガティブな考え方がクセとなっているのです。
ネガティブな過去の記憶を見ているのです。
今までの生い立ちとか環境からネガティブな思考が習慣となり、不安や心配、恐れの感情を感じることがその人にとって、当たり前になってしまったのかもしれません。
ネガティブ思考の人が正反対のポジティブ思考へと急に変われるわけもありません。
ネガティブ感情に支配されることが多く、気分を変えるのは難しいと思っているならば、自分を客観的に見る練習をしてみてはどうでしょうか。
ネガティブな感情に支配されている状態から抜け出るには、自分を客観的に見ることが必要です。
映画館のスクリーンに「ネガティブ感情に浸かっている自分」を映し出し、客席からその「ネガティブ感情の自分」を見ている自分を想像します。
ネガティブな感情を感じている自分を「もう一人の自分」が見守っていると思うと、自分を客観的に見ることができます。
自分を客観視することで、問題を冷静に捉えられます。
いつもネガティブな感情に陥っていることがいやなら習慣を変えなければなりません。
ネガティブな感情に焦点をあてるのではなく、焦点をずらしてノーマルな状態に移行するような出来事を思い出します。
上手にやれた、うまくいった過去を思い出します。
過去にそういうことはないわ、というならば、未来で成功しているあなたの姿を想像してみてください。
ネガティブな感情からポジティブな感情に変えられないというなら、つまり、マイナスからプラスに行くことが難しいのなら、マイナスから0(ゼロ)へ向かうようにしてみましょう。
そのために、過去のポジティブな出来事を思い出し、ポジティブな感覚を感じてみます。
楽しいやうれしいとか、穏やかな感情を感じた出来事を思い出してみるのです。
まったくポジティブな体験がない人はいないでしょう。
思い出すのが難しいというのなら、過去のことは未来には何の関係もありません。
ですから、ポジティブでやりたいことをやっているあなたをイメージして感情を上げてみてください。

あなた自身にポジティブな質問をする
先ほどいいましたように、一日をポジティブな気分で始めるには、朝、「今日はどんないいことがあるだろうか?」、「今日、感謝できることは何だろう?」と質問してみます。
ワクワクする気持ちが起こるのではないでしょうか。
質問をされると、脳はその質問に答えようとします。
人は質問されたら、脳が考え答えを出します。
「質問」は、脳の中の潜在意識を活性化するのです。
質問に答えられないということは、わからない状態であり不安になります。
わからない状態は、人間にとって一番大事な安心安全な状態ではないから、脳は嫌います。
ポジティブなことに意識を向けるかネガティブなことに意識を向けるかで、あなたの心の状態が180度違ってきます。
質問によって意識の焦点が定まり、潜在能力の活性化が図られるのです。
そして、意識の状態が、あなたの行動に影響を与えます。
ネガティブな質問をしたらネガティブな感情が発生し、ポジティブな質問をしたらポジティブな感情になります。
ポジティブな感情は行動へと繋がります。
なので、あなた自身、エネルギーを与えてくれる良い質問をすることが大事です。
「良いこと」を想像すれば、豊かな気持ちになれます。
脳は豊かな気持ちを継続しようと「すばらしい出来事」が起こるように動き始めます。
最後に
世界的に有名なコーチのアンソニー・ロビンズは、「人生の質は、自分に問いかける質問の質で決まる」と言っています。
肯定的な質問により、ものごとの肯定的な面を見ることができ、ポジティブな感情を感じることができます。
そして、肯定的な質問を決まった状況や時間にする習慣を身につけることは、人生の成功を実現するために重要なことだといっています。
お読み頂きありがとうございました。