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嫌いな人が頭から離れないとき
「どうしても好きになれない、嫌いな人」がいますか?
顔を見た瞬間に気持ちが沈んだり、帰宅してからも「あの態度は何なの」と頭の中で繰り返したり。
夜になっても心がザワザワして眠れない。そんな経験が誰にでもあると思います。
本当は考えたくないのに、気づけば嫌いな人のことばかり考えているのです。
しかも「人を嫌っちゃいけない」と自分に言い聞かせようとすればするほど、心の中では葛藤が大きくなります。
「嫌ってしまう自分」と「嫌ってはいけない自分」がぶつかり合い、ますます苦しくなってしまうのです。
嫌いな人に意識を奪われてしまう仕組み
人は意識を向けたものを大きくしてしまいます。
たとえば「転ばないように」と思うほど足元ばかり気になって、かえってつまずいてしまうように。
嫌いな人を意識すればするほど、頭の中ではその人の存在がどんどん膨らみます。
「嫌だ、会いたくない」と思えば思うほど、その人と同じ場面に居合わせることが増える…。
そんな不思議な経験をしたことはありませんか。
心の中で相手を強く意識しているからこそ、現実の中でも目につきやすくなり、ストレスが繰り返されるのです。
嫌いな人を嫌う気持ちの正体
なぜ私たちは、人を「嫌い」と感じてしまうのでしょうか。
実はその理由の多くは、相手ではなく「自分のこだわり」にあります。
せっかちな人を見ると「どうして落ち着いて行動できないんだろう」とイライラしたり、大ざっぱな人を見ると「もっと丁寧にすればいいのに」と不満を抱いたり。
そこには「こうあるべき」という自分の価値観があります。
つまり、嫌いな人は「自分の価値観に合わない人」なのです。
そして、その「合わない」という感覚は、自分の弱点や恐れを映し出してくれることもあります。
「なぜ私はこの人をここまで嫌いだと感じるのだろう?」と少し立ち止まって考えると、自分の中にある思い込みや不安に気づけることがあるのです。
例えば、自分の性格で嫌だと思っている面をその人に見てしまうことがあります。
嫌いな人は、自分を見直すきっかけを与えてくれる存在でもあるのです。
嫌いな人への向き合い方
相手も自分もただの人間だと思ってみる
完璧な人はいません。
嫌いな人にも、その人なりの価値観や信念、そして生きてきた背景があります。
あなた自身に弱さがあるように、相手にも弱さがある。
ただ「私は私、人は人」と線を引いて眺めてみるだけで、気持ちは少し軽くなります。
無理に好きにならなくていい
嫌いな人を無理に好きになる必要はありません。
職場なら必要な会話だけにとどめて、あとは仕事の関係と割り切ってしまえばいいのです。
プライベートでは、できるだけ接触を減らしてみる。それだけで、心は余計なストレスから解放されやすくなります。
距離を取ることは逃げではなく、むしろ健全な自己防衛なのです。
感謝の言葉を心で贈ってみる
そして最後に、一番効果的なのは「感謝の言葉」を贈ることです。
「そんなの無理!」と思うかもしれませんね。
嫌いな人に「ありがとう」なんて、言えるわけがないと感じるでしょう。
でも、自分のこだわりを教えてくれた人と考えてみると、お礼を言えるのではないでしょうか。
けれど、声に出さなくても心の中でそっと「ありがとう」とつぶやくだけで、自分の気持ちがやわらかくなっていきます。
潜在意識は主語を区別しません。
相手を嫌えば、それは自分を嫌うことと同じ。
逆に相手に感謝すれば、それは自分に感謝することにつながります。
だからこそ、感謝の言葉を贈るのは相手のためというより、自分のためなのです。
嫌いな人の幸せを祈るのは自分のため
嫌いな人を完全に消すことはできません。でも、その人にも大切な家族がいて、人生があると考えてみると、見方が少し変わります。
タフティーの「鏡の法則」にもあるように、鏡に映された姿が今の自分なのです。
「嫌いだ、いやだ」と言って人を嫌っていると、それが自分に跳ね返ってくるのです。
嫌いな人に「どうか幸せでいてください」と心の中でつぶやく。
それは決して相手を甘やかすことではなく、自分のためにする祈りです。
普通は嫌いな人の幸せなんて祈れないものです。
でも、あえてやってみると、心が驚くほど軽くなる瞬間があります。
その優しい言葉は、最終的には自分自身に向けられるからです。
嫌いな人をきっかけに、自分の心をもっと自由にしていきませんか。
そうすれば、あなたの人生は今よりずっと軽やかに広がっていくはずです。
お読みいただきありがとうございました。