迷う注意の仕方
上司の方は、部下のミスに対して注意すべきか迷われる場合があるかもしれません。
部下に反発されないか辞められたら困るというような事情があれば、なおさら躊躇されるのではないでしょうか。
理想的な部下の指導法は部下の個性に合わせて指導していくことだといわれます。
理想はそうだけど、現実はそうはうまく行かないという声が聞こえてきそうです。
性格を考えて注意するとしたら、少々のことではめげない人物であればその場で大声でしかっても大丈夫かと思われます。
反対にいつもが深刻に捉えるタイプであれば時間をとって1対1で注意するほうがいいように思われます。
実際、現場では時間に追われ、部下の指導もままならない状況かもしれません。
1分間マネジャー
部下がミスした時の効果的な注意の仕方を著した「1分間マネジャー」(K・プバンチャード、S・ジョンソン著)が参考になるでしょう。
1分間マネジャーの時間管理 働きすぎを解消する仕事のさばき方
1分間という短い時間で効果的にマネジメントする手法が書いてあります。
実際、職場でミスが発生した場合、こういう場面を見かけたことがあるのではないでしょうか。
お客様の注文を失念していた場合、催促の電話がかかってきました。
上司が「何やってるんだ。早く行って来い!」というのは普通に見られます。
ですが、このとき「何やってるんだ。このバ〇!」と言ってしまったらアウトです。
部下の人格を傷つけてしまっているからです。
現実はこんなひどい注意の仕方があるかもしれません。
組織のマネジメントを考えるとしたら部下のモチベーションを上げる指導のやり方がいいわけです。
「1分間マネジャー」では、部下がミスした場合、上司はすぐにそれを確かめに来ます。
上司はその状況をすぐに把握し、何が間違いか具体的かつ正確に、部下に教えます。
問題を把握してから部下への指導は、時間を置かず、すぐやります。
注意する際、上司が責めるのは部下の行動だけです。
ミスした部下の性格や人格を非難することはありません。
一般的に、注意を受けた部下は、自分を守るために弁解したり責任転換することがすくなからずあります。
しかし、「1分間マネジャー」のやり方で注意を受けた部下は、責任転嫁したり自己弁護する必要がなく、自分の行動だけを反省すればいいのです。
当然ですが、注意する上司は、「この間も、君はこういうミスをしたよね!」と過去のミスを掘り返し、繰り返し責めることはしません。
そして、「1分間マネジャー」では、間違いを犯した部下に対して、最後に上司である自分は、部下のあなたに期待しているということを伝えます。
部下にこれから、判断やスキルを上げてよりよい仕事をしていって欲しいと願っていると期待を伝えるのです。
繰り返しになりますが、部下を注意する時は、部下の行動だけを責めます。
部下の人格を傷つけることはありません。
上司は、決して部下の価値や値打ちを攻撃することはしません。
上司は部下がミスした時は「君の行動はOKではない。だが、人間としてはOKなんだよ。」と伝えることが重要であるといっています。
上司は部下を承認しており、これからも期待しているということを伝えることを強調しています。
このような上司であれば、部下は上司を信頼しており仕事のモチベーションは落ちないでしょうし、やる気が増すと思われます。
一分間注意法のまとめ
部下のミスが発生した場合、その部下の行動をフィードバックします。
部下の能力とかアイデンティティという部分ではなく、行動レベルを注意されますので、モチベーションが下がることなく、逆に増すという状況が生まれやすいといえます。
上司からの指摘を受け、自分で行動を振り返り、次からの仕事の改善につながるでしょう。
「1分間マネジャー」に見る部下を注意する際に押さえておきたいポイント
1.注意するタイミングは、その場で、その時です。
ミスが発生したら時間を置かず短い時間で注意します。
2.部下の行動だけを注意します。
部下の人格を傷つける発言はしません。
人格や性格を非難することは逆効果になります。
3.注意した後は、部下に対しこれからも期待していることを伝えます。
部下のモチベーションは下がることなく、むしろ上がることでしょう。
1分間マネジャーの時間管理 働きすぎを解消する仕事のさばき方
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