過去の後悔
過去の選択が間違っていたと後悔することがあります。
就職や仕事、恋愛や結婚のことで過去を振り返り、やり直したいという気持ちになることがあります。
特に友人や同級生の幸せそうな姿を見たときに、過去への後悔が出てくるように思えます。
あの時あんな決断をしなければ、今頃は彼のように恵まれた環境でやりたい仕事に恵まれたのではないかと悔やんだりします。
あの時、あの人と結婚していたら今頃は幸せな家庭を築けたかもしれないと過去の恋人を思い出すこともあるでしょう。
できたら過去に戻ってやり直したいと思います。
そして、自分を責める言葉が出てきて、つらい気持ちになったりします。
過去を悔やむのは、今までやってきたことがうまくいかなかったり成果が出なかったときではないでしょうか。
心の隙間に入り込むようなむなしい感情に襲われます。
華やかな過去が思い出され、今の恵まれない自分には違う道があったのではないかと思うのは当然かもしれません。
できたら、過去をリセットしたい気持ちになります。
過去を否定しない
後悔するというのは、「今のあなた」が「過去のあなた」を見た場合に起こるものです。
「今のあなた」は「過去のあなた」よりも成長しているのですから、当然「過去のあなた」は未熟に見えます。
ですから、過去の決断や未熟さを指摘したくなります。
「過去のあなた」を見るという視点でいえば、今から半年後の「未来のあなた」が「今のあなた」を見るとしたら…。
「未来のあなた」から見た「今のあなた」は、「過去のあなた」なのです。
「未来のあなた」は、当然今より成長しているわけです。
「未来のあなた」は「今のあなた」を見て未熟だと思うでしょう。
人間は、今現在が成長の最先端であるということです。
「今のあなた」が一番ベストな状態だということなのです。
「過去のあなた」の決断は、今振り返ると思慮が足らず、未熟であったと思うでしょう。
しかし、その当時のあなたは成長の最先端にいたベストのあなただったのです。
一番ベストだと思ったものを選択したのです。
過去はその瞬間、その瞬間の積み重ねであるといえます。
一秒前のあなたは過去のあなたです。
この世に変化しないものはないのですから、人間は、時の流れの中で一瞬一瞬毎に成長しているのです。
過去の自分を否定したくなる気持ちはわかります。
しかし、過去を否定するということは、その時ベストであった自分を否定するということになります。
過去のあなたを否定することになります。
現在のあなたがいるのは、過去のあなたがいたからです。
過去にやってきたことは間違いだったと悔やんだとしても、あなたは成長の最先端で選択し、行動してきたのです。
その時の一番ベストで完璧な状態だったのです。
その選択の結果がいまのあなたをつくっているのです。
過去に捉われて後悔することは、未来を見ていません。
過去に目を向けて反省する目的は、将来の成功のためではないでしょうか。
なりたい自分になるために、より幸せな自分になるために、過去の経験を活かせばよいのではないでしょうか。
過去を否定しないでください。
あなた自身にやさしくしてあげてください。
今のあなたが10段目の階段に立っているとして、「ここにいるのは間違っている」と思ったら。
今まで登ってきた階段を全部違っていたから、壊すというのでしょうか。
今この段階に在るということは、一段目の階段を登って来たからであり、次に二段目、次に三段目…と一歩ずつ上がってきたからであり、その結果、今の十段目のあなたがいるわけです。
「よく頑張って登ってきたな」と思えるのではないでしょうか。
あなた自身をいとおしく思えるのではないでしょうか。
お読み頂きありがとうございました。