セルフ・エスティームは生きる土台
セルフ・エスティーム(self-esteem) は自尊心と訳されます。
自負心とも自己評価とも訳されます。
自己評価とは自分が自分自身をどんな人間だと思っているかということです。
自己評価する基準として二つ上げられます。
自分には能力があると信じる確信と、幸せになる価値のある人間であると実感する感覚です。
他人からほめられたからセルフ・エスティームが高いとか、他人から評価されなかったからセルフ・エスティームが低いということではありません。
セルフ・エスティームは周りや環境に影響されるものではなく、自分が自分自身に対して行う評価です。
セルフ・エスティームは自己評価であり、心のはたらきです。
自信があり自分の能力を信頼する心のありようです。
自分自身が人生で成功し幸せになってよいと思える感覚を持つことです。
自分は成功と幸せを手に入れるにふさわしい人間であると自覚することが、生きるうえで最も重要な土台です。
自尊心という言葉はなじみがない言葉かもしれません。
自尊心は、自分には価値と能力があり自分は尊重される存在であるという自分の思いです。
「ちょっと、自分には自尊心がある。」と他人には言えないように思ってしまうかもしれません。
自尊心があるというと、傲慢で思い上がった人間という印象をもたれるかもしれないと懸念するかもしれません。
それは、謙虚であるべきという教えが影響しているように思います。
自分の力をひけらかさない、奥ゆかしさがいいものだという教えです。
自分が自分の能力や価値を認めていないとしたら、そういう姿勢を見直すことが大事ではないでしょうか。
自信を持つというのは自分を信じることから始まるからです。
セルフ・エスティームは人生の中で起こる様々な困難に対処できる能力があると信じる思考です。
同時に自分は尊重されて幸せになる価値があると実感する感覚です。
セルフ・エスティームは西欧的な考え方から生み出されたものではないといわれます。
人間として生きていくうえで大切な感覚だから特定の文化の影響を受けたものではないといわれます。
人が生きるうえでその人の能力と自尊心は不可欠なものだからです。
セルフ・エスティームがなければ自分が人生をコントロールできないのです。
自分を信じて自分の思うことを実行しその結果に責任を持つ、そういう自立した生き方の土台となるものだからです。
自分を信じる確信と尊重が根本にある感覚といえます。
セルフ・エスティームの背景にあるもの~新約聖書の一節
平和でなく分裂 マタイ10:34-38
「わたしが地上に平和をもたらすために来たと思ってはならない。わたしが来たのは、平和ではなく剣を投ずるためである。
わたしが来たのは、人をその父と、娘をその母と、嫁をその姑と対立させるためである。
自分の家族のものが敵となる。
わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。
わたしよりも息子や娘を愛する者は、わたしにふさわしくない。
また、自分の十字架を担ってわたしの後に従わない者は、わたしにふさわしくない。
自分の命を得ようとするものはそれを失い、わたしのために命を失う者は、それを得る」
神との関係は神と一人の人間、1対1の関係であり、神の前ではみな同じという考え方でなければ信仰は成り立たないように思われます。
個人の在り方が重要視される考えのように思います。
セルフ・エスティームは西欧的な思想から出てきたものではないといわれても、個々人の在り方に焦点があたる西欧的な思想の影響は大きいように思います。
他者との比較で自分を評価するのではなく、自分の中に自分を認め自分を尊重する確信を持つということがセルフ・エスティームです。
自分をもっと強化、充実させるものためにセルフ・エスティームという概念が生まれたような気がします。
自分の人生は自分がコントロールするという意思があることによって、自分の幸せを求め進むことができます。
自尊心の低い人の特徴
・私は被害者だ、私はかわいそうな人と思っている。
・自分を哀れみ、不当な扱いを受けてきたと感じている。
・周りの人たちを恨んでいる。
・すべてを過去のせいにする。
・自分は評価されていないと感じている。
・苦労してがんばっているのに周りは理解してくれないと思っている。
・不公平な扱いを受けていると感じている。
・自分に価値を感じることが出来ない。
・自分を疑い自分を信じない気持ちが強い。「私には‥‥はもったいない」「私なんて‥‥する値打ちなんかない」という言葉を使う。
自尊心の高い人の特徴
・私にはできるという感覚を持っている。
・目標を定めて計画的に行動が出来る。
・自分や他人を許せる。
・恨みを抱いたり復讐しようとは考えない。
・ずっと過去のネガティブな状態にいようとは思わない。
・自分を大切にでき、自分と同じように他人も大切にできる。
・他人を評価しない。
・他人を助けたり、他人のために何かしようとする。
・自分のしたことで起こった結果を他人のせいにしない。
自尊心の高い人はものごとがうまくいかないときでさえ、自分を肯定することができるのです。
セルフ・エスティームを高めるために~意識的になる
この意識的になるということはどんな状況でも、そのときの状況にふさわしい心を作り出すということです。
意識的になるということは、責任を持つということです。
例えば、こういう意識で仕事している人がいたとしたら。
「支持されたことはちゃんとやりました。その結果はわたしに関係ありません。」
「私は支持された通りやりました。その中身にミスがあったとしても私が作ったものではないので私には責任はありません」
責任は結果を受け入れるということです。
結果は関係ないといってしまったら、私は何も学びませんと言ってることと同じではないでしょうか。
セルフ・エスティームは一人ひとりの中にあるものです。
先ほど言ったように、セルフ・エスティームは自分は人生に起こる様々なことに対処できる能力があるという自己有能感と自分は幸せになる価値がありそれを達成するにふさわしい人間であるという自己尊重感です。
セルフ・エスティームは他人が私のことをどう考え、どう感じるかは関係ありません。
他人から賞賛されたからと言ってセルフ・エスティームは生まれません。
家族や友人に愛されているのに、自分を愛していない人は少なくありません。
意識的に、責任を持ち、目的を持って行動した結果生まれるものです。
自分自身のあり方の結果生まれてくるものだと言えます。
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