ストレスを感じる理由
仕事でミスをして上司に怒られたら、恐れや怒りの感情が出てくることがあります。
「ダメ人間と思われたかもしれない」と落ち込むことがあります。
「先輩の言った通りにやったのに、なんでこうなるの?!」と、原因を考えてしまいあれこれと悩み、感情がますますネガティブになります。
反対に、注意されてもあんまりこたえていないように見える人がいます。
同じ出来事にあってもストレスと感じる人とそうでない人がいます。
ストレスと感じる人はつらいという感情を抱きやすいといえます。
ストレスだと思うのは、出来事そのものではなくそれをどう思うか、どう感じるかというその人の反応に原因があるようです。
自分の中にネガティブな思考や観念があって、それを通して物事を見るとネガティブな感情を持ちます。
ストレスの根本的な原因は自分のネガティブな思考や観念(イメージ)にあるということなのです。
考え方とイメージの関係
人間は価値感や観念(イメージ)を持っています。
人間は、出来事が起こったら自分の価値感やイメージでその出来事に対して「良い・悪い」という判断を下します。
そして、その「良い・悪い」という価値判断についているイメージが「嬉しい・辛い」という身体的な反応を生み出すことになります。
「悪いことだ」と判断すると、イヤだとか辛いと思い、感覚や感情がイライラしたり、恐れたりとネガティブな反応をします。
繰り返しますが、人間は、出来事を自分の価値観で良いとか悪いとか判断します。
悪い出来事だと判断したら、怒りや悲しみ、不安などのネガティブ感情が生まれ、落ち込んだりうつうつとした状態に陥ります。
つまり、ストレスを抱えた状態になります。
自分が持つ価値観によりものごとをジャッジするため、「悪い」と判断されたものは、否定的な感情や感覚を生み出します。
嫌な感情が生じるのは、出来事そのものではなく、自分の価値感・観念(イメージ)がもとになっているということです。
元来、出来事それ自体は無色透明無味無臭なものです。
例えば、雨が降るということは自然現象の一つです。
それを「雨が降ってイヤだな」と感じるのはその人の解釈になるわけです。
外出するのに雨に濡れるのはいやだとか、洗濯物が乾かないから困るというように考えて、「雨=(イコール)嫌なもの」という解釈が生まれます。
イヤだと考えるとネガティブな感情が生じます。
人間は、出来事を自分の価値感や観念(イメージ)を通して見ます。
価値感・観念というフィルターを通してその出来事を見ることになります。
色眼鏡でものを見るのと同じようなものです。
その色眼鏡で見ると、良いとか悪いという判断が下され、「辛い」「苦しい」というような感情が発生します。
辛いと身体が硬くなり、息も浅くなり、気分がどんよりするというような身体感覚的な反応が起こります。
出来事の解釈を選び直す
どうしたら、私たちはストレスから解放されるのでしょうか。
もう一度、出来事が起こりストレスを感じる過程を振り返ってみます。
一般的に入社試験で希望する会社に落とされたら、「自分は能力がない。」「自分は価値のない人間だ。」と落ち込みます。
希望する会社に入社できなかったことに対して、自分ダメだという判断を下しています。
「自分は能力がない」、「自分は価値がない」…
ネガティブな状況になって、意気消沈するのが普通だといえます。
でも、この出来事は完全に否定的でダメなことなのでしょうか?
「ダメに決まってる」と言う声が聞こえてきそうですが…。
客観的にみると、出来事はひとつ、入社試験を受けた会社に入れなかったということです。
この入社試験に落ちたということに対して別な解釈も成り立ちます。
その人に能力がないというよりも、会社が求める人物像が違った、適性が合わないと判断されたのかもしれませんし、本当はコネで入る人が決まっていて入社試験はデキレースであったとか、…
…理由はわからないことです。
起こった現象はひとつであり、事実はひとつです。
しかし、その出来事の解釈は人によって違います。
入社試験に落ちたことで、その人は内観して本当にやりたいことに気づけたとか、自分に合う会社に行く機会となったとか、このように解釈することもできます。
人間は自分の解釈は正しい、事実であると思い込んでいます。
しかし、解釈は事実ではありません。
解釈は人それぞれ多様にあるのです。
ストレスを感じる価値観や観念を変えることで、どう感じるかという身体感覚を変えることは可能です。
考え方やものの見方を変えることによって、解釈はいろいろあることがわかります。
解釈はひとつではないということです。
あなたが思い込んでいるのは、解釈のひとつなのです。
ストレスはネガティブな思考や観念から来ていると言いました。
あなたの思考のクセを明らかにするために、日記をつけることはいいかもしれません。
自分を客観視することで、ストレスを生じさせる思考や観念を発見できるでしょう。
何が起こってどういう感情を持ったか、どう考えたかということをその都度書き記していくと自分の考え方の傾向がわかります。
思考のクセがわかり、かつ、心の中になるモヤモヤした黒いものを外に出せて気持ちが落ち着くという効果もあります。
考え方に偏りがあると思えたら、その価値観を手放し別な捉え方ができないか、力づける解釈ができないかと考えてみます。
ストレスというのは、自分の考え方のクセによって自分を苦しめているようなものといえます。
あなたに力を与えてくれて、幸せになれる考え方を選び直していくと、ストレスを感じなくなっていくでしょう。
お読み頂きありがとうございました。