新しい生活でのつまづき
次のような状態になった人がいらっしゃるかもしれません。
五月の連休後に学校や会社に行きたくない、何となく体調が悪い、授業や仕事に集中できない、周りになじめないと思い始めます。
4月はこれからはやるぞ!と気合が入っていました。
しかし、5月に入りだんだんとやる気が出なくなりました。
体調にもそれが現れ、食欲が落ちたり、眠れなくなったりします。
バイト先で怒られて凹みます。
毎日学校の課題をこなすのに必死です。
一人暮らしを始めたのに、実家に帰りたいと強く思ってしまいます。
高校時代の友人たちが懐かしいと強く思います。
社会人になったばかりの人は仕事でミスして、上司や先輩に注意されたり、怒られたりします。
「もっと積極的に自分でも勉強しなさい」とアドバイスされます。
でも、毎日先輩について仕事を覚えることに精一杯の状態です。
そう言われても余力がない状態です。
意識に心と身体がついていかない
4月から新しい学校で学び始めた学生や社会に出て働くようになった新社会人は、急激な環境の変化を体験していることでしょう。
人間にはホメオスタシスというものがあります。
ホメオスタシスは恒常性維持機能といわれ、外界の環境の変化に対して生体を恒常的状態に保とうとするものです。
例えば気温の変化に関わらず体内を36度程度に保つ仕組みがそうです。
心理面においても、今までの生活状態を維持しようとする働きがあります。
今までの安定した状態をずっと保とうとします。
今までが当たり前の生活であったわけですから、慣れ親しんだ状態にい続けたい心理があります。
新しい環境での生活は、当たり前ではなく新しいことばかりです。
慣れない生活にストレスを感じることも出てきます。
ですから、4月から新しい生活を始めたのですから、すぐに周りの環境に溶け込むことができなくても当然だと捉えることです。
新しい環境下で馴染めず失敗する自分を責めたりしたら、それはなおさら自分を余裕のない状況に追い込みますから、やめた方がいいです。
完璧にやらなければならないという考えを持っていたら、完璧主義をやめましょう。
完璧な人ほど、凹む度合いが深いように見えます。
失敗したくないと思うほど失敗した自分を許せなくなり責めてしまうからです。
内観のすすめ
4月から新しい環境で生活し始めたのですから、慣れないのは当然です。
今まで順調にきていたのに、やる気がでないとか初めて挫折感を味わう自分を経験するかもしれません。
これまで上手くやれたのに、失敗ばかりの自分にショックを受けるかもしれません。
ネガティブな状況だと落ち込まず、新しい環境でとまどう自分を内観してみてはどうでしょう。
人間はモヤモヤした気持ちや不安や恐れを感じる時は、反対の気持ちを感じたいからそうなるのだと考えたらどうでしょうか。
今のネガティブな感情は、自分に何かを教えているのではないかと捉えたら、気づくことがあるかもしれません。
客観的に自分を見るきっかけだと考えて、自分が第三者の立場にいたら、今の状況はどう見えるだろうか?と考えてみます。
将来の自分を思い浮かべて、1年後の自分が今の自分を見たらどう思うか?
3年後の自分が今の自分を見たらどう思うか?
と考えてみます。
すると気持ちが変わるかもしれません。
今の状況が違って見えるかもしれません。
新しい環境で急にやったことのない新しいことをやって失敗するのは当然だと思えるのではないでしょうか。
人間は無意識で自分自身と会話しているといいます。
常にセルフトークをやっています。
失敗したら、「なにやってるんだ」「だめじゃないか」ではなく、「いい経験になった」「次はうまくやろう」…と思えばいいわけです。
自分自身の投げかける言葉を見直してみるとものごとの捉え方が変わり、感情の変化に繋がります。
最後に
人間にはホメオスタシスがあるため今までの生活を維持しようとする働きがあることを自覚します。
自分の完璧主義を手放します。
セルフトークをセルフイメージが上がるものに変えていくことが大切です。
自分を責めることなく、今の上手くいかない状況は、意識と心と身体がちぐはぐな状態だと捉えればいいのではないでしょうか。
スタートした4月とは違って、5月になり何かモヤモヤした状態になり、学校や職場でつまづくことが多かったとしたら、自分を内観するきっかけと捉えたらどうでしょうか。
お読み頂きありがとうございました。