不安と戦わない
不安が不意に襲ってくることがあります。
将来への漠然とした恐れ、お金の心配、人間関係のストレスが不安の原因になっていることが多いでしょう。
不安な気持ちに耐えられないと思うときがあります。
将来へ不安を感じるということは、その不安はまだ来ない未来を心配しているものです。
将来の不安は憶測ともいえます。
その不安や恐れは過去に起こった苦しんだ経験をもとに想像していることかもしれません。
過去のうまくいかなかった記憶から、未来も同じようにうまくいかないだろうと予測しているのではないでしょうか。
不安を感じているというのは、そのイメージに怯えている状態といえます。
不安な自分を冷静に見ると、幻のモンスターに怯えているようではないでしょうか。
過去のネガティブなイメージで、未来を不安に思っているということになります。
ネガティブなイメージで未来を予測すると、イライラに襲われたり、波のように押し寄せる不安感を感じます。
身体もその不安に反応します。
不安な時は不安な感情を押さえ込もうとして、「そんなことを気にしてはいけない」と思おうとします。
しかし、不安な気持ちを抑えようとするのではなく、その感情に向かい合った方が不安に対処できます。
「ネガティブな感情を持ってはいけない」、「もっとしっかりしなくてはダメだ」と自分の感情に蓋をしてしまうとよくありません。
感情を押さえ込もうとしない方がいいです。
不安になったりイライラするのは普通なんだと思い、感情は自然なものだと受け入れましょう。
原因をあれこれと考えることなく、だだネガティブな感情に注目します。
「恐れ」「危惧」「心配」「不安」といった感情は自分の身体のどの部分に感じますか?
ネガティブな感情を身体で感じてみます。
胃の辺りか首の後ろか…。
今、私の中にはネガティブな考えや感情があるということを認めることが大事です。
ネガティブ感情を感じている自分を客観的に見ている自分がいるというイメージで。
その不安、恐れの感情に向かい合い、不安を感じている自分を認めるのです。
不安と戦うのではなく不安感情を受け入れると、不安はしだいに小さくなっていくでしょう。
不安に対処する方法
不安なときは、安心を求めているのです。
安全・安心な状態はどういうものなのか考えてみます。
不安は行動を起こすようにというシグナルと受け止めたらいいのではないでしょうか。
今の行動を変えてみて、対策を打つことを始めるのです。
具体的な行動のアイデアを出して実践する、一歩踏み出すということが求められていると考えてはどうでしょうか。
不安感を持っていると落ち着かなくなり、やることが失敗してしまうかもしれません。
精神状態が悪いと高いパフォーマンスは期待できません。
不安はこれから起こるかもしれない出来事への心配です。
不安は、これから起ころうとしていることにもっときちんと備える必要があるというシグナルと捉えることもできます。
これから起こることを予想し、どんな対策をしていけばいいかを具体的に考えます。
不安が強ければ強い程、具体的な最悪な状況を書き出してみます。
将来の不安であれば、細かく想像して書き出します。
その最悪な状況になったら、あなたは何をするか考え書きます。
勇気を出して、どうすればいいか、準備する具体的な行動を開始すると決めるのです。
そうしているうちに、不安が減っていることに気づくのではないでしょうか。
自分自身が危険や恐怖を誇張して想像し、感じているんだと思えるのではないでしょうか。
大方の心配事は解決できそうな気がしてくるでしょう。
心配していることの96%以上起こらないといわれます。
急に不安になったら
ネガティブなイメージを持つと身体に現れてくることがあります。
人間はイライラや興奮などネガティブ感情を感じた時、呼吸が速く浅くなるといわれます。
反対にリラックスしてる時は呼吸が深くゆっくりしています。
呼吸と感情は関連しているといわれます。
呼吸法を変えることで精神を安定させることができます。
自律神経が働いているので、人間は意識することなく呼吸しています。
吸う時は交感神経が、吐く時は副交感神経が働いています。
交感神経は活動、緊張、ストレスのときに優位に働き、副交感神経は休息、リラックス、睡眠中に優位になるといわれています。
普段は意識しない呼吸を意識的にコントロールすることで精神を安定させる方法が深呼吸です。
吸う時間より吐く時間を長くして身体や心の緊張を緩めることができます。
吸う間隔を4とするなら、吐く間隔を8にしてみます。
鼻で1、2、3、4と吸い、口から1、2、3、4、5、6、7、8とゆっくり吐いていきます。
身体の力を抜く間隔で繰り返します。
急に不安な気持ちに襲われた時、深呼吸をやると落ち着いてくるでしょう。
視覚を刺激して、不安に対処する方法があります。
アクティブな感覚にしてくれる黄色のものを部屋に置いておきます。
黄色は不安や孤独感が強い場合それらを和らげてくれる色といわれています。
部屋に黄色い花など飾ってみたら気持ちが落ち着くのではないでしょうか。
不安は自分が作ったモンスター
不安の本当の姿というのは、まだ来ない未来を恐れているということです。
不安を感じるのは安心できる状態になりたいということです。
安心できるために具体的な対策を考えてみましょう。
あれこれ対策を具体的に考えていくと、何とかなりそうだと思えるのではないでしょうか。
そして、考えているうちに不安が小さくなっていることに気づくのではないでしょうか。
不安は、過去のネガティブな記憶が作り上げた将来のネガティブな予想でしかありません。
不安は自らが作り出したモンスターのようなものです。
不安を感じるときは、イメージしたモンスターに怯えていると思ったらどうでしょうか。
お読み頂きありがとうございました。