やりたいことがわからない
やりたいことがわからないと言う人がいます。
自分のことなのに、どうしてやりたいことがわからないのでしょうか。
それは、やりたいことをやってこなかったから、やりたいことをがまんしてきたから、…かもしれません。
小さい時から、厳しく育てられてきました。
「お姉ちゃんだから、ちゃんとしなさい。」「お姉ちゃんだから、がまんしなさい。」「そんなこともできないの!」と親に言われて来ました。
「時間には余裕を持って行動しなさい。」としつけられ、約束の30分前には目的地に着き相手を待つという行動パターンになりました。
その時その状況で、言われたことをちゃんと守ってきちんとしないとだめだという思いでやってきたのでした。
「~しなければいけない」、「~すべき」、「~してはいけない」という周りの言葉に従ってきたようです。
学校に行くようになると、教師からの教えも加わり、言われたことをやるのに精一杯の状態でした。
回りの要求に応えなければならないという思いで、まずやらなければならないことが始めにきます。
考え方も「こうしなければならない」から始まるようになっていきました。
やらなければいけないことを早く済まさなければならないという思いに捕われます。
親や教師からの課題をこなすことが優先されます。
「やるべきこと」、「してはいけないこと」がいつもありました。
周りの言うことを完璧にこなすことで、親や教師から怒られたくない、嫌われたくない、できたらほめられたいと思ってきました。
いろんな課題をやるのに手一杯で、なんとかやれたらほっとします。
期待に沿うようにがんばってきました。
あくまでも、与えられたことをこなすという態度でした。
ですから、自分がやりたいことをやってきたという経験がほとんどなかったのでした。
今までやりたいことを考えたことがほとんどありませんでした。
いや、正確にはやりたいと思ったことはあったと思います。
でも、そのやりたいことは、やるべきことを済ませてからやりなさいと言われて後回しになったか、あきらめたか…でした。
「やりたいこと」を親に言うと「それは無理」と反対されたので、それ以来考えることをやめてしまったのかもしれません。
自分の気持ちを優先してきたことが無かったので、やりたいことがわからなくなったといえるでしょう。

「べき思考」に縛られてきたのでは
「べき思考」とは「こうでなければならない」、「そうしなければならない」と考える思考の方法です。
この「~すべし」と思う時は、「~しなさい」といった誰かの言葉に縛られている状態です。
行動が「~すべし」と言った人の基準に縛られています。
誰かの基準であるのを、自分が決めた基準、または信念と思い込んでいるのかもしれません。
「べき思考」は本来のあなたの考えなのでしょうか?
「~しなければならない」「~してはいけない」という考え方は、まわりの人たちからインプットされたものなのではないでしょうか。
生まれ持ったものではなく、成長するにつれて身につけていった考え方であるといえるでしょう。
「べき思考」が強い人は他人の目を気にします。
他人の視点で自分を見るからです。
自分の行動をジャッジします。
そして他人もジャッジします。
「べき思考」は人の行為を批判する道具にもなります。
「~したい」と思うことは、論理的な思考から出てくるものではありません。
思考ではなく感情から生まれるもので、ワクワクする感覚を持つものです。
ポジティブな感情が始めにあるものです。
自分のやりたいことがわからないという人は、とてもいい人で優秀な人なのでしょう。
秩序を守り、まわりに気を使って生きてきたはずです。
自分のことは二の次だったかもしれません。
やりたいことは後回しにして他人を優先してきた人が多いように見えます。
そういうあなたが「自由にやっていいんだよ。」となったら、自分の気持ちが分からないことに気付きます。
自分のことより他人をおもんばかって、自分の気持ちを考えてこなかったから…。
自分の気持ちや心にふたをしてきたのではないでしょうか。

やりたいことをみつける方法
やりたいことがわかるようになるには、自分の心の声に耳を傾けることです。
今まで「これ好き、欲しい」「あれをやってみたい」と思っても、「それはできない」「あとでいいんじゃない」と自分にたくさんガマンをさせてきたのではないですか。
そして、いつも頭の中では、「よく考えないといけない」「失敗してはいけない」「判断するにはもっと情報を集めないといけない」「損をしてはいけない」…という思いばかりだったのでは。
いうならば、左脳だけを働かせて、右脳を使ってこなかったのではないでしょうか。
感情に目を向けてください。
感覚や感情を大切にしてみる練習をやるといいです。
心を優先するということです。

例えば物を選択する場合、思考で選ぶよりも直感で選んでみるのです。
「こっちがメリットが大きい」とか「周りがいいよというから」という理由ではなく、テンションが上がるとか、ここちよさそうとか、ピンと来たという感覚で選択するのです。
小さいことから始めてみてはどうでしょう。
周りに合わせることをしないで、「心地よい」「好き」「穏やかになれる」という基準でものを選ぶのです。
「どっちでもいい」とか「なんでもいい」、「合わせる」というのではなく、「私はこれにする」、「私はこれがいい」と感情に従って、自らが選ぶのです。
「よさそう」「いい感じ」と感覚で決めるのです。
直感を信じて感覚で選ぶ習慣を身につけたら、心が喜びます。

やりたいことが見つかるワーク
紙に次の問いへの答えを、考え書き出してみてください。
思いつくまま、考えこまずにたくさん書き出してください。
あなたはお金も時間も充分持っているという前提で考えてみてください。
紙いっぱい書き出した後、それを読み返してみます。
絶対にやりたくないことの反対がやりたいことに通ずるといわれます。
時間を置いて何度かやってみることをおススメします。

あなたの心を大切にする
「やりたいことがわからない」という人は、今まで「やらなければならないこと」を優先してきました。
ですから、やりたいことを後回しにした、または、やりたいことをやってこなかったのではないでしょうか。
いつも周りの人の言うことを聞いてきたあなたは、気配りのできる優等生なのだと思います。
自分より他人を優先して、周りの人の期待に沿って行動してきたのではないですか?
やりたいことをやるには、自分の気持ちを優先することが大事です。
今まで他人のことを先に考えてきたけど、これからは自分を優先してもいいと自分に許可を与えることです。
自分が何を欲するのか自分に心を向けて、小さなことから始めてみてはどうでしょう。
ワクワクする、心地よいという感覚でものごとを選択する練習をしていくと、自分のやりたいことがはっきりしてくると思います。
お読み頂きありがとうございました。